■RALLY CARS vol.10
MAZDA 323好評発売中！
日本車グループＡのパイオニア
グループB最後期にして最盛期の1986年、グループAクラスでデビューしたマツダ323 4WDは、のちに突如脚光を浴びることとなりました。4WD＋ターボというパッケージは時代にぴたり合致し、グループA黎明期の日本車代表としてランチアなどのライバルとわたり合いました。排気量のハンデを負いながら3勝を記録したものの、いつか時代は323を置いたまま、2Lターボへと収斂していきます。今から約30年前、マツダが放った輝きを振り返ります。
323、始まりのストーリー
何の変哲もない2ボックスファミリーカー、マツダ323がWRCに参戦した理由とは、グラスルーツカテゴリー支援のためのものでした。しかしグループBのRX-7による活動を経て、マツダの挑戦は本格化。いつしか323 4WDは頂点を狙うクルマとなり、ライバルとともにグループAの先頭をひた走ります。志半ばで途絶えたその道の、始まりの物語。
「規則」と「車格」の狭間で
1980年代の初頭からマツダ・ラリーチーム・ヨーロッパでその歩みを見守ってきたエンジニア、関田克己。グループＢ、グループＳ、グループＡと移り変わる時代の流れのなかで彼はどのようなものを見聞きし、何を考えたのか、その想いに迫ります。
PLAYBACK the RALLY SCENE 1986-1993
マツダ323の走りは、排気量の不利を感じさせず右に左にひらひらと、しかし鋭くコーナーをクリアしていきました。白地にブルーのグラデーションをまとったマシンは、ギャラリーたちに鮮烈な印象を残しスペシャルステージを駆け抜けていきました。
MRTE誕生秘話
スイス・マツダで産声をあげたマツダのWRC活動は、バルンボルトの手によって本格的なラリーチームへと成長を遂げることとなります。323を育て鍛えたMRTEのテクニカルディレクター、ベルナール・リンダウアーの回想とともに、MRTEがどのように歩んだのかを振り返ります。
RALLY CARS GALLERY
ここに紹介するのは、1991年当時のフルワークスマシン、323 GT-Xではなく、ひとつ前の1.6ℓモデルである323 4WD。このグループAマシンはすべてをリフレッシュされて、今はフィンランドの自動車博物館で訪れる人たちを待っています。マツダ本社にも残されていない貴重な実車の一台。ドライバーであるミンナ・シランコルバにも話を聞きました。
若駒が見せたポテンシャル
現在のWRCとは大きく異なる規定とルールで争われていた1991年のWRC。その第9戦1000湖ラリーでトミ・マキネンはワークスデビューを飾りました。のちに４度のワールドチャンピオンとなる男は、どのような走りを見せていたのでしょうか？ ステップアップのきっかけとなったラリーを振り返ります。
GT-R、最期の煌めき
1992年を最後にワークス活動にピリオドを打ったマツダ。しかし、93年シーズンに向けて用意されていた323 GT-RはグループNカテゴリーで最後の輝きを放つこととなりました。323でプロダクションカータイトルを手にしたアレッサンドロ・ファッシーナが、20年以上の時を経たいま、その想いを語ります。
ファミリアの衝撃
WRCにおける323 4WDの登場とほとんど時を同じくしてファミリアは全日本ラリーの舞台に降り立ち、多くのドライバーに愛され一世を風靡しました。8戦7勝を挙げるほどの好成績を残したものの、それは、やがて来るハイパワー4WD時代への扉を開くこととなります。ファミリアの足跡をたどります。
イラストで見る、マツダ323 WRC全記録
グループB全盛の時代に、コンパクトな4WDターボという、その後の世界を予見するようなパッケージで登場した323。グループAのWRCにおいて最強ランチアの間隙を突き、活躍を見せましたが、次第に小排気量の不利が重くのしかかります。時代を先取りし、そして進む時代に取り残されてしまった323。そのWRCにおける戦績を紐解いていきます。
