今季のWRC、わずかではあるがマニュファクチャラーズ選手権2位へのチャンスを残すMスポーツは、母国戦となる最終戦GBをフルアタックで挑む構えだ。
特段にテクニカルという訳ではないが、英国特有のマディな道を攻略するには、独特のスキルが求められる。GBを拠点とし母国戦ともなるMスポーツにとっては、持ち前の経験を大いに活かしてマニュファクチャラーズ選手権争いでの順位を押し上げたいところだ。
特にエルフィン・エバンスにとっては、設定されるステージの一つ、Gartheinogからは10kmも離れていないところで生まれ育った馴染みのある場所。コ・ドライバーのダニエル・バリットもウェールズのラリーには10年以上も参戦経験を持っている。エバンスは2007年、自身18歳の時にこのGBでWRCデビューを果たしており、クラス優勝を飾っている。2013年にはWRC2部門でのタイトルを決めた後、このGBでWRカーでの初参戦を経験した。
「母国戦でシーズンの締めくくりを迎えられるのはいつでもうれしいものだし、ラリーGBの雰囲気は最高だ」とエバンス。
「昨年は5位に入っているので、今年は少なくとも同じ順位にはつけたい。ポディウムを狙うドライバーがたくさんいるので、厳しい戦いになると思うが、全てがパーフェクトに回れば僕たちも上位争いに食い込める。今回は、ドライバーの力量が試される伝統のステージが多く設定されているので、とても楽しみだよ」
オィット・タナックも、WRカーでの経験はウェールズ戦が最も豊富。2010年にはPWRC優勝を勝ち取っており、その後3年間はフィエスタRS WRCで参戦。2011年にはトップスペックのフィエスタWRCで総合6位に食い込んでいる。今季も、グラベル戦で見せてきたポテンシャルは周知の通りだ。
「ウェールズ戦に向けての準備は万端。ここ3回はいずれもフィエスタRS WRCで参戦しているので、経験も十分にある。ラリーでは、経験が大きな武器になるからね」とタナック。
「ウェールズのラリーは、天気に関わらずチャレンジングだけど、僕は大好きだ。ここ何戦かのグラベル戦のように、プッシュしていきたいね。全力で、本領を発揮したい。戦いがタフになると思うが、僕らはグラベルでの強さに自身を持っているし、自分の強さを高めながらシーズンを終えたい。全力を尽くすよ」