2015年WRCの最終戦、今週末開催のラリーGBでは、今季ここまで12戦中11戦で勝利をマークする圧巻の強さを誇ってきたフォルクスワーゲン勢が、最後までプッシュを緩めない姿勢で挑む。VW勢は、2014年も全13戦中12戦で勝利を飾っているが、ポディウムポジション獲得はのべ24と、既に昨年を上回っている。
ポロR WRCを駆る3クルーは、それぞれに野心を抱いてこのラリーGBに挑むことになる。既に今季のドライバーズタイトルを決めているセバスチャン・オジエにとっては、GB3連覇がかかる一戦。一方、今季ここまで3勝をマークしているヤリマティ・ラトバラと、前戦スペインで待望のWRC初勝利を決めたアンドレアス・ミケルセンは、ドライバーズ選手権2位を争うライバルとして挑むことになる。
チーム代表のヨースト・カピートも「チームオーダーは全くない。我々の3クルーがいずれも勝てる資質を持っていることを、今季通して既に見てきている。全員がウェールズで美酒を味わうために挑むことができる。フォルクスワーゲンとしては、純粋に楽しみなラリーだと期待している」とコメントしている。
スペインでは悔しい結果に終わったオジエは「スペインがあのような形で終わったのは残念だが、既に終わったこと。今はもうGBを楽しみにしている」とコメント。
「ここ2年勝っているイベントだ。天気がどうあれ、グリップが非常に少ないラリーだが、僕らはうまく対応してきた。既にタイトルは獲得しているから、何のプレシャーもなくシーズンを終えることができる。シーズン最初のラリーだろうが最後のラリーだろうが、僕はいつでも勝ちたい。GBでも同じだ」
シリーズ2位の座を死守したいラトバラは「GBの高速ステージは、フィンランドのラリーを彷彿とさせるところがあるので、第二の母国戦のようなもの」とコメント。
「2002年にWRCデビューを飾ったのはGBだったし、2011年、2012年には勝っている。今年も、もちろん同じ結果を出したいね。今季は序盤苦戦したこともあったが、流れを変えてシーズン後半はいいリザルトを出してきた。最終戦をいい形で終えて、来年のモンテに流れをつなげたい」
対するミケルセンは、スペインでの初優勝での興奮も冷め止まないと言ったところ。「WRC初優勝は、オーラ(・フローネ)と僕にとって、本当にスペシャルだった」とミケルセン。
「GBでは、何のプレッシャーもなく挑んでいける。僕とウェールズには、特別なつながりがあるんだ。17歳の時、自動車免許を取るために移住したんだよ。だから、ここに来るのはいつでもうれしい。スウェーデン同様、ラリーGBも僕にとっては母国戦の様なものだ。スペインで勝利の味を知ってしまったから、一日でも早く、次の勝利をつかみたい」