ダカールラリーは1月13日、ベルン〜ラ・リオハ間の763km(うち競技区間245km)を走行。砂漠を一周するダカール史上、最も長い砂丘セクションが設定されたこの日は、世界で最も過酷なレースの名を表すにふさわしい一日となった。
中盤以降、毎日のように総合首位が入れ替わる今回のダカールだが、この日はプジョー2008DKR 16のステファン・ペテランセルが一気に後続を引き離してきた。スタートからわずか32km地点で轍にはまり15分をロスしたペテランセルだったが、その後はパンク1回でこの日をクリアし、最速タイムをマーク。総合首位に再浮上した。この日は、チームメイトのシリル・デプレが2番手タイムをマークしており、プジョー勢が再び1-2フィニッシュを決めた。周囲ではトラブルが続出しており、前日総合首位に立ったカルロス・サインツは、パンク、ナビゲーションミスと続いた後、巨石にヒット。ギアボックスとエンジンの間にあるスペーサーに強い衝撃を受け、ここでストップしてしまった。サインツのプジョー2008DKR 303号車はサービストラックのサポートを受けてビバークへの帰還は果たしたが、衝撃によるダメージが広範囲に広がっていることから、ここでリタイアを決めた。サインツはここまで、2回のステージ勝利をマークしていた。
周囲のトラブルを尻目に、この日一気に順位を上げてきたのは、南アフリカのベテラン、ジニール・ドゥビリエ(トヨタ)。この日を6番手タイムで堅実に走り切り、総合順位でもアル‐アティヤに12分差の3位とポディウム圏内に入ってきた。
2日間、悪夢が続いたセバスチャン・ローブ(プジョー)も、砂地でスタックし10分をロスした他、2回のパンク、砂丘での転倒とアクシデント続きの一日を過ごしたが、終わってみれば5番手タイムでこの日を終え、総合順位も9位まで巻き返した。
市販車ディーゼル部門で戦うチームランドクルーザー・トヨタオートボデー勢は、343号車のニコラ・ジボンがこの日、2番手に58分近くの差をつける部門トップタイムをマーク。部門首位に浮上し総合順位でも31位まで順位を上げてきた。342号車の三浦昂も部門5位(総合49位)でこの日を走り切っている。
トラック部門排気量10リットル未満クラスの日野チームスガワラは、519号車の菅原照仁がクラストップ(トラック部門総合14位)、菅原義正の528号車がクラス2位(トラック部門総合30位)で、クラス1-2体制を堅守している。
1月14日は、ラ・リオハ〜サン・ユアン間に712km(うち競技区間431km)が設定される。細かい砂が路面を自在に変化させ、足下が重く取られるために巧妙に攻略する辛抱強さが求められる。一方で、グラベルや玉石のセクションはスピード勝負。総合順位が変動する可能性も秘める注目の一日だ。
ダカールラリー After Stage 10
1. S.ペテランセル(プジョー) 32:44’59
2. N.アル-アティヤ(MINI) +1:00’00
3. G.ドゥビリエ(トヨタ) +1:12’31
4. M.ヒルボネン(MINI) +1:23’51
5. L.ポウルター(トヨタ) +1:33’58
6. C.デプレ(プジョー) +1:50’07
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9. S.ローブ(プジョー) +2:27’31