WRC第2戦スウェーデンは2日目を終えて、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジエが最終日に向けて首位を堅持した。
SS11、13、15、18、19の5SSがキャンセルとなった2日目は、午前にSS10、12の2SS、午後にSS14、16、17という5SSのみの戦い。この日も昼のサービスはないため、選手たちはマシンを労わりながら走行しなければならない。前日にデイリタイアを喫したクリス・ミーク、ヤリ-マティ・ラトバラはマシンを修復して再出走。また、デフトラブルに見舞われたティエリー・ヌービルは、朝のサービスアウトに20秒間に合わずペナルティを受けてしまった。
前夜の降雪で10cmほどの雪が積もったSS10、先頭スタートのオジエは不利な条件ながらもトップタイムをマーク。総合2番手のヒュンダイのヘイデン・パッドンが、5.5秒遅れのサードベストで食らいつく。後続では、総合6番手のアンドレアス・ミケルセンが2番手タイムをマークし、「大きく姿勢を崩したが運良くコース上にとどまれた」というMスポーツのマッズ・オストベルグ、「前のドライバーの岩があった」と語るオィット・タナック、左フロントタイヤのパンクに見舞われたヒュンダイのダニ・ソルドを交わし、一気に総合3番手に浮上。総合9番手だったMスポーツのエリック・カミリはロールオーバーにより早々にリタイアしてしまった。続くSS12、走行順に苦しんだオジエは11番手タイムと低迷し、トップタイムのヤリ-マティ・ラトバラから37.8秒遅れ。3番手タイムでフィニッシュしたパッドンがオジエに8.8秒差まで迫ってきた。SS10で4番手に後退したオストベルグはミケルセンを交わして総合3番手の座を取り返す。
ハグフォースでのタイヤ交換&給油を終えたクルーたちは、午後最初のSS14へ。パッドンにとって最大のチャンスとなったが、2015年にも使われた22.76kmのこのステージでオジエが王者の貫禄を見せ、「リスクも大きかったけれど楽しめた。これ以上の速さでは走れない」と語る3番手タイム。パッドンはオジエから1.4秒遅れの4番手タイムに終わる。オストベルグとミケルセンの総合3番手争いはミケルセンが大幅にタイムを落とし、オストベルグがリードを広げた。SS12の再走ステージであるSS14でも、オジエがこの日最初のベストタイム。パッドンは5.7秒遅れの6番手タイムと徐々に差が開いていくが、「この順位を維持するのが大切」と総合2番手維持に切り替えた。
この日最終のSS17は、カールスタッドの競馬場を使った1.7kmのスーパーSS。ベストタイムはラトバラで、シュコダ・ファビアR5を駆るフィンランド出身のテーム・スニネンが会心のセカンドベストタイムをマークした。タナックが3番手タイム、4番手タイムには地元スウェーデン出身で、昨年のラリー北海道でも総合優勝を飾ったポンタス・ティデマンドが名を連ねた。土曜日を終えて首位はオジエ、17.1秒遅れの総合2番手にパッドン、パッドンから35秒差の3番手にオストベルグというオーダー。4番手のミケルセン、5番手のタナック、6番手のソルドまでは約25秒ずつの差が開いている。7番手にはフィエスタを駆るヘニング・ソルベルグ、シトロエン勢最上位は総合8番手のクレイグ・ブリーンとなった。
競技最終日の14日(日)はSS18〜21のうち2SSのみが予定されていたが、主催者はSS20のキャンセルを決定。1〜3位までにポイントが与えられるパワーステージのSS21のみが行われる。SS21は日本時間の20時8分からスタート、セレモニアルフィニッシュは23時から催される予定だ。
WRC第2戦スウェーデンSS17終了後暫定リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
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1 | セバスチャン・オジエ | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | 1:52'04"7 |
2 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20 WRC | +17"1 |
3 | マッズ・オストベルグ | フォード・フィエスタRS WRC | +42"3 |
4 | アンドレアス・ミケルセン | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | +1'07"4 |
5 | オット・タナク | フォード・フィエスタRS WRC | +1'31"6 |
6 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20 WRC | +1'56"3 |
7 | ヘニング・ソルベルグ | フォード・フィエスタRS WRC | +2'17"2 |
8 | クレイグ・ブリーン | シトロエンDS3 WRC | +2'20"8 |
9 | エルフィン・エバンス | フォード・フィエスタR5 | +4'44"7 |
10 | ポンタス・ティデマンド | シュコダ・ファビアR5 | +5'02"6 |