ERC第11戦キプロスラリー(グラベル&ターマック)は9月19-21日、キプロス島のニコシアを拠点に開催され、ERCデビューを果たしたヤジード・アルラジ(フォード・フィエスタRRC)が優勝。これで、今季のERCで勝利をマークしたドライバーは8人となった。
今回、選手権強豪勢のスキップが相次ぎ、デイ1を終えて、選手権タイトルも視野に入れるポーランドの強豪カエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)が首位で折り返していたが、レグ2に入ってパワーが上がらないトラブルに見舞われ失速。これで前日カタノビッチに3.8秒差の2位にまで迫っていたアルラジが一気に首位に浮上。最終的に48.9秒まで差を広げて、ERCでの初勝利を飾った。
「ラリーオーストラリアから、1万2000km飛んでこのラリーに参戦したんだ。それで勝つことができたんだから、言うことはないよ」とアルラジ。「いい走りができたし、すべて予定通りだった。今朝は最初のステージでスピンをして5秒近くをロスしたので2本目は慎重に逝ったけど、その次はサービス前でリスクを負うことのできる最後のチャンスだったから、大プッシュしたんだ」
一方、2位に終わったカエタン・カエタノビッチだが、選手権リーダーのエサペッカ・ラッピが今回参戦していないため、タイトル争いではラッピに29ポイント差の3位に浮上した。選手権強豪勢では唯一参戦したクレイグ・ブリーン(プジョー208 T16 R5)は、メカニカルトラブルによりリタイア。ラリーオーストラリアではWRC2勝利を飾ったナッサー・アルアティヤ(フォード・フィエスタRRC)もエンジントラブルで戦線を離れている。
プロダクションカップは、クリストス・デモステノウス(三菱ランサーエボリューションIX)、2WDカップはゾルタン・ベッセンイー(ホンダ・シビックtypeR)がそれぞれ制した。