ラリーレポート:第10戦オーストラリア – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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ラリーレポート:第10戦オーストラリア

 

 今シーズン唯一のオセアニアラウンド、WRC第10戦ラリーオーストラリア。昨年に続き、イベントの起点となるのはニューサウスウェールズ州コフスハーバーとなる。

前戦ドイツではエースふたりの脱落によって、地元でマニュファクチャラーズ選手権を決められなかったフォルクスワーゲンだが、今回のラリー終了時点でシトロエンとの差を129点にキープできれば、2年連続のタイトルを獲得する。
 オープニングステージを制したのは、現在ランキングトップのセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン)。続くSS2、SS3はシトロエンのクリス・ミークが連続ベストを刻み、トップに躍り出る。

「かなりプッシュしたが、良いペースで走れているよ」と、ミークは笑顔を見せた。しかし、午後のステージに入ると、フォルクスワーゲン勢がスパート。デイ1が終わってみれば、首位にオジエ、2番手にヤリ‐マティ・ラトバラ、3番手にもアンドレアス・ミケルセンが入り、フォルクスワーゲンがトップ3を独占することになった。
 一時トップを快走したミークは4番手。5番手はオーストラリアでの優勝経験を持つ、Mスポーツ(フォード)のミッコ・ヒルボネンが続く。前戦ドイツでWRC初優勝を果たしたヒュンダイはヘイデン・パッドンが6番手、リヤサスペンションにダメージを負ったティエリー・ヌービルは10番手、クリス・アトキンソンは11番手と下位に沈んでいる。

ミーク、ショートカットでペナルティ

 デイ2に入ると、2番手につけていたラトバラがペースアップ。SS9、SS10と連続ベストをたたき出し、オジエを逆転する。ところが、午後のセクション最初のSS11で痛恨のタイヤ選択ミス。このステージでベストを記録したオジエから13.4秒も遅れてしまった。これでラトバラは2番手にポジションダウン、再びオジエがラリーリーダーに返り咲く。
 熾烈を極めたのは、ミケルセンとミークによる3番手争いだ。0.6秒差でデイ2をスタートし、一進一退の攻防を繰り広げる。1.5秒差でミケルセンがミークをリードし、ふたりの勝負は最終日まで持ち込まれるかと思われた。しかし、SS10におけるミークのインカットが、ステージのショートカットとみなされ、1分1秒ものペナルティが課されてしまった。これでミークは5番手に順位を落とし、ヒルボネンが4番手にくり上がった。

「トップレベルと張り合えるだけのスピードが自分にあることは証明できた。ペナルティは残念だし、チームには申し訳なく思う」と、ミークはがっくりと肩を落とした。

 最終日を前に首位オジエと、2番手ラトバラのタイム差は11.8秒。SS走行距離は89.62 kmが残されており、逆転も不可能ではない。ラトバラは3つのベストを並べるが、前を行くオジエも完璧なペースで走り切り、余裕のトップフィニッシュ。ポーランド以来となるシーズン6勝目を挙げた。最終のパワーステージでベストを奪取したラトバラは6.8秒差の2位。3位にもミケルセンが入ったことで、フォルクスワーゲンは初の1-2-3を決め、2年連続のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
 4位はSS15でヒルボネンをパスしたミーク。以下、ヒルボネン、パッドン、ヌービル、エルフィン・エバンスのオーダーでラリーを終えている。

WRCオーストラリア:総合順位
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン)2:53:18.0
2:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン)+6.8
3:A.ミケルセン(フォルクスワーゲン)+1:18.0
4:K.ミーク(シトロエン)+1:44.0
5:M.ヒルボネン(フォード)+1:53.6
6:H.パッドン(ヒュンダイ)+2:56.2
7:T.ヌービル(ヒュンダイ)+4:28.2
8:E.エバンス(フォード)+5:10.0
9:R.クビカ(フォード)+6:39.8
10:C.アトキンソン(ヒュンダイ)+9:29.4



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