WRC第3戦メキシコは、フォルクスワーゲンのヤリ‐マティ・ラトバラが今シーズン初優勝。WRCでの通算16勝目を獲得した。
競技最終日に行われたのは、80kmのSS20と、16.47kmのSS21パワーステージのふたつ。前日までの段階で、首位ラトバラと2番手セバスチャン・オジエとの差は1分35秒7と大きく開いているが、80kmという長丁場のステージでは何が起きても不思議ではない。このステージはいくつかのSSを組み合わせて構成されており、マシンやタイヤだけでなく、ドライバーやコ・ドライバーにも大きな負担のかかるステージだ。出走順は前日までの順位をもとに、オジエが9番手、ラトバラが10番手。ふたりとも条件はほぼ同じと言える。 SS20でのベストタイムはオジエが獲得。ラスト25kmでブレーキトラブルが出たため攻め切れなかったと語るも、SS2番手のラトバラを25.3秒上まわる48分06秒8でフィニッシュしてみせた。SS2番手となったラトバラも、60kmをすぎた辺りでリヤブレーキの利きが悪くなったためにペースを落としたと語っている。これでふたりの差は1分10秒4。最終SSで何か起こらないかぎり、ラトバラの優勝はほぼ見えた。そして迎えたSS21パワーステージ。SS20に続いてこのSSを制したのはオジエだった。一方のラトバラはやや慎重に走りSS2番手で最終SSをフィニッシュ、今シーズン初の勝利を手中に収めた。
上位陣に大きな順位の変動はなし。優勝はラトバラ、2位にオジエ、3位はヒュンダイのダニ・ソルド、4位にMスポーツのマッズ・オストベルグ、5位はヒュンダイのヘイデン・パッドン、6位にDMACKのフォード・フィエスタを駆るオィット・タナックという順位となった。
WRC第4戦の舞台となるのは南米アルゼンチン(4月21〜24日)。初冬の山岳路を舞台として、熱戦が繰り広げられる。
[追記]
ダニ・ソルドは、タイヤ使用本数制限の違反により2分のペナルティが科された。このため、ソルドは総合4位に降格、3位にはMスポーツのマッズ・オストベルグが繰り上がった。
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
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1 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | 4:25:57.4 |
2 | セバスチャン・オジエ | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | +1:05.0 |
3 | マッズ・オストベルグ | フォード・フィエスタRS WRC | +5:36.4 |
4 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20 WRC | +5:37.9 |
5 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20 WRC | +6:22.6 |
6 | オット・タナク | フォード・フィエスタRS WRC | +9:59.5 |
7 | マルティン・プロコップ | フォード・フィエスタRS WRC | +12:58.5 |
8 | ロレンツォ・ベルテッリ | フォード・フィエスタRS WRC | +14:09.6 |
9 | テーム・スニネン | シュコダ・ファビアR5 | +18:01.8 |
10 | バレリー・ゴルバン | MINI JCW WRC | +32:37.3 |