ラリーポーランド、デイ3終了後の各ドライバーからのコメント。フィニッシュまで2SSを残して、パンクで目前のWRC初優勝が手からすり抜けたタナック。最終ステージを走り終えた心境を言葉少なに語った。*()内は総合順位の前日比
[フォルクスワーゲン・モータースポーツII]
フォルクスワーゲン・ポロR WRC
「激戦のラリーがこんなかたちで終わるなんて。僕らは、最初の最初から全力を尽くした。走行順が早いので、そうするしかなかった。今日は予測不可能のコンディションだったので、まだ勝てるチャンスがあると思っていた。そして、そのチャンスを手にした。このラリーを勝てたことは、純粋に素晴らしい。特に、アンデルス・ヤーゲルと組んで初めての勝利だからね。僕らは友人だし、ずっと一緒にがんばってきた。格別の勝利だ。でも、フィニッシュを目前にしてパンクで勝利を逃したオットの気持ちも汲みたい。僕も去年、スウェーデンで似たような経験をしたからね」
[DMACK WRT]
フォード・フィエスタRS WRC
「言えることは何もない。ここまでやってきたのに、何も残らないなんて。……キツすぎる……」
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20 WRC
「本当にいい気分といっていいくらいだった。午前は、コンディションに苦戦した。雨でステージがとてもスリッパリーになって、まったく自信がなかった。今日は、片意地を張って2位を狙ってプッシュするよりも、3位キープを目指した。たぶん、ちょっと力を抜きすぎたと思う。3位は素晴らしいリザルトだ。わずか0.8秒という僅差はさておいてね。この週末の進捗には満足している。いいラリーができたし、厳しい内容が2戦続いた後で、調子を取り戻した。またポディウムに上がることができてうれしいし、フィンランドでも同じようにがんばりたい。素晴らしい仕事をしてくれたチームのみんなに賞賛を贈るよ」
ダニ・ソルド/SS20でリタイア
「厳しい週末になった。フィニッシュを目前にして、今季初めてのリタイアを喫して本当に悔しいよ。今日は、とにかく運がなかった。最初のステージはよかったが、2本目にシケインの干し草にヒットして、フロントにダメージを負った。メカニックががんばってくれて2ループ目も走れるようにしてくれたが、雨がひどくコンディションはとても難しかった。SS20を3km走ったところで、バンクに接触して、リヤサスペンションのパーツにダメージを負った。後続車に遅れを取らせたくなかったので、サービスに戻る決断をして、ダメージが広がらないように低速で戻った」
[ヒュンダイ・モータースポーツN]
ヒュンダイi20 WRC
「最終日の午前は、みんなにとって厳しいコンディションになった。スムースでクリーンな走りを心がけて、トップ4で安全にフィニッシュすることを目指した。今回のラリーは、金曜日の午前のループでのペースノートの問題がすべてだった。ここで貴重なタイムをロスしてしまった。タイムを取り戻すのはどんな時でもチャレンジングだが、ベストは尽くした。それ以外は完璧な週末だったと思う。チームにとっては、3位、4位フィニッシュができてポイント争いの点ではよかったと思うし、パワーステージポイントは、もちろんボーナスだ。フィンランドには期待を抱いて臨めるし、高速ステージに挑める自信もついた」
[フォルクスワーゲン・モータースポーツ]
フォルクスワーゲン・ポロR WRC
「まず、アンドレアスを祝福したい。素晴らしい走りだった。もちろん、残りわずかというところで勝利を逃したオットにとっては辛い結果だと思うが、ラリーではこれが厳しい現実だ。自分としては、これまでのポーランドで一番の内容になった。残念ながら、リズムをつかむのが遅すぎた。それでも、SS単位ではいいタイムも出せたし、パワーステージでは2位に入れたので、まずまずのかたちでラリーを終えられた。次は、1年のハイライトでもある母国戦のフィンランド。楽しみにしているし、万全の体制で迎える」
セバスチャン・オジエ/総合6位(=)
「アンドレアスとアンデルスを祝福したい。ラリーをとおしていい戦いをした。でも、オィット・タナックのパフォーマンスにも敬意を表したい。ポーランドでいつもそうであるように、彼は本当に速かった。パワーステージのフィニッシュでは、少しでも彼を讃えたかった。WRCの初優勝を目前にして、本当に辛かったと思う。僕らにとってもタフな週末だったので、少しでも選手権ポイントを獲得することができてうれしいよ。今日は本当にスリッパリーなコンディションで、ここしばらくの間では一番タフだった。とにかく無事にポロをフィニッシュさせることだけで精いっぱいだった。今は、家族の元に帰ることが楽しみだよ。息子のティムにたくさんのプレゼントをいただいたので、スーツケースを買い足さなくてはならないかもね」
[アブダビ・トタルWRT]
シトロエンDS3 WRC
「予想をはるかに上まわるリザルトだよ! スウェーデンの時点での感覚を取り戻そうというのがプランだったけど、最後にこのマシンをドライブしたのが5カ月も前だなんて思えなかった。すぐにリズムを掴んで、最初の数ステージでまずまずのタイムを出すことができた。安定感があったし、大きなミスを避けながらも、いい順位でフィニッシュすることができた。今日の最終レグは、信じられないほど難しかった。2ループ目はひどかった。順位では前後との差が広がっていたので、あまり無理をしなかった。この機会を与えてくれたチームに、あらためて感謝したい」
ステファン・ルフェーブル/総合9位(↑)
「SS19の右ロングコーナーで、少し甘い判断をしてしまったが、コーナーは少し巻き込んでいた。全開のまま攻めたかったが、スピンしてしまった。木にヒットして左リヤのサスペンションを破損してしまった。マシンをいたわりながらサービスに戻り、PHスポールのメカニックが奮闘してフィニッシュにこぎつけてくれた。ありがとう、みんな! 2ループ目はできるだけ慎重にいったが、それでもマシンをコースにとどめるのが難しかった。パフォーマンスの点ではいい前進ができたと思うし、初めてWRCでステージウインをマークすることができた」
[Mスポーツ]
フォード・フィエスタRS WRC
「楽しめた週末だったが、8位に入るためにここにきたわけじゃない。ステージは素晴らしかったが、何らかの理由でペースが上がらなかった。僕らは決してあきらめないし、フィンランドでさらに強くなって戻るために、必死で取り組む。あらゆるところを分析して、タイムロスの原因を突き止める。ポディウム争いに挑みたいからね」
エリック・カミリ/総合10位(↓)
「チームのみんなの気持ちを思うと、たまらない。勝利に等しい内容だったし、きっと近いうちに実現できるはずだ。自分に関しては、いい週末になったし、とても勉強になった。高速のステージでパフォーマンスをフルに出すために改善しなくてはならないところは、把握できている。フィンランドに向けてそれに取り組んでいく。去年も参戦したので少しだけ知識があるから、楽しみだよ」