世界ラリークロス選手権は第5戦が7月4−6日、スウェーデンのホヘ・モータースタジオンで開催。DTMで2回タイトルを獲得しているマティアス・エクストローム(アウディS1)が優勝。自らエクストローム・ラリークロスチームを立ち上げたエクストロームが、中間リザルトもトップで通過してマキシマムポイントを獲得、世界RXでの初勝利を母国で飾った。世界ラリークロス選手権の初シーズンは、ここまでの5戦すべてで勝者が異なる混戦となっている。
フォルクスワーゲンがサポートするスウェーデン戦は、ラリークロスの歴史の中でも名門イベントとして知られているが、特にスウェーデンではラリークロス競技の人気が高く、初の世界戦開催となった今回は観客3万4900人と記録を更新する大盛況となった。
盛り上がりが最高潮に達するスーパーカー部門のファイナルで、地元ドライバーとして登場し、激戦の6ラップを制して勝利を飾ったエクストローム。「自分の夢を本に書くなら、間違いなく今日のホヘで起きたことを大きく取り上げるよ」というエクストロームは、昨年のスウェーデン戦では2位に入っている。「昨年の12月時点では、ラリークロスチームのことなど何も話が挙がっていなかった。エントリーもギリギリだったが、なんとか形になった。最終的な目標は世界チャンピオンになることだが、もちろん今はDTMにフル参戦しているので、難しい。でも、チームボスとして、世界チャンピオンチームのメンバーになることはできるよ。実はFIAの表彰式に出たことがないので、ぜひ参加したいね」
2位にはアンドレアス・バックラッド(フォード・フィエスタST)が続いた。チームメイトのレイニス・ニッティスが4位に入ったことで、フォード・オルスベルグMSEはチームズ選手権でのリードを伸ばし、ニッティスもドライバーズ選手権での首位の座を死守した。
3位に入ったペター・ソルベルグ(シトロエンDS3)は、ジョーカーラップの選択に迷いが出てタイムロス。一時は首位に出たものの、残り2ラップというところでパンクにも見舞われた。それでもポディウムフィニッシュを果たし、ドライバーズ選手権ではニッティスに9ポイント差の2位を維持している。
「自分にとっては第2の母国だし、どうしても勝ちたかった。最後列から最高のスタートを決めて、エクストロームの後ろにピッタリとついた。パンクしてからも何とか走行を続けていたけど、ラインから外れたバックラッドにヒットされて、2位の座を失ってしまった。でも、ラリークロスだから、理解できる」
世界ラリークロス選手権は再び連戦開催となり、第6戦は7月11−13日、ベルギーのメテで開催。ここでは、フランソワ・デュバルが参戦を表明している。