今季はセバスチャン・オジエ、ヤリ‐マティ・ラトバラ、アンドレアス・ミケルセンと3人のドライバー全員が勝利をマークしているフォルクスワーゲン勢。選手権屈指の難関ラリーフィンランドでも、常勝軍団の勢いをつなげたい構えだ。
特に母国戦となるラトバラは、この2年間でフィンランド連覇を果たしており、もちろん今年は3連覇を視野に入れる。もし勝てば4度目のフィンランド制覇となり、ハンヌ・ミッコラ、トミ・マキネンと名だたるフライングフィンに肩を並べることになる。マルク・アレンはフィンランドで6勝をマークしているが、フォルクスワーゲンのテスト・開発ドライバーを務めるマーカス・グロンホルムは、実に7回のフィンランド勝利を数える。
「ラリーフィンランドでは、他のラリーよりも自然とプレッシャーがかかるが、とても楽しみにしている」とラトバラ。
「だからこそモチベーションも高まるし、地元の観衆の前でいい走りをしたいとも思う。フィンランドのファンからの期待は高い。特に、今季は僕はまだ一勝しかしていないからね。ラリーの性格は僕に合っている。高速グラベルとビッグジャンプ。僕のためのようなラリーだ」
ポーランドでは、自身2度目のWRC勝利を飾ったミケルセン。今季、走行順3番手まででグラベル戦での勝利を飾ったのは、ミケルセンだけだ。フィンランドでのベストリザルトは、2014年の4位。勢いに乗って、フィンランドでもトップ争いに絡むことを目指す。
「ポーランドでの勝利を、フィンランドでも果たすのは簡単なことじゃない」とミケルセン。
「このラリーは、性格が全く異なる。路面はもっと固いし、クレストやジャンプも多い。全体としては、ポーランドよりも格段に厳しい。僕にとっては、正確なペースノートを作ることが特に重要だ。だから、レッキでしっかり集中して、できる限り正確なペースノートを作りたい。今年は、オウニンポウヤが逆走なので、ここも山場だろうね」
現在、選手権首位につけるオジエ。選手権リーダーとして迎えるラリーは、2014年3月以来、これで30戦目となる。現在選手権2位のミケルセンに51ポイントの大差を築いているオジエだが、走行順に関する規定によりグラベル戦で勝利を飾るのは、ほぼ不可能に等しい。
「ラリーフィンランドは言うまでもなく一年のハイライト」とオジエ。
「ステージは、素晴らしいだけでなく、ラリーのために作られたようなもの。走行順の関係で、今年はグラベル戦での優勝のチャンスは現実的にはない。だから、天候はフィンランドでも大きな意味を持つ。ウエットになるよう、願っている。何よりも大切なのは、タイトルを守ることだ」