トミ・マキネン単独インタビュー「いいチームを作り上げたという自信はある」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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トミ・マキネン単独インタビュー「いいチームを作り上げたという自信はある」

 

いよいよ、トヨタのWRC復帰まで残り半年となった。ヤリスWRCが精力的にテストを行う模様はすでに様々なメディアで報じられており、その動向は全世界から大きな注目を集めている。

RALLYPLUS.netでは、ワークスチームであるTOYOTA GAZOO Racingを率いるトミ・マキネンにラリーフィンランドで単独インタビューを行い、気になるマシンの進捗状況やドライバー選択、開発メンバーの離脱についてなど、様々な疑問に答えてもらった。インタビューはシェイクダウンの前日となる7月27日、ヘッドクオーターに隣接したホテルで行われた。

──2017年モンテカルロでのトヨタWRC復帰まで、今の時点であと6カ月あまりですが、それまで短いと感じますか? それともまだたっぷり時間があると感じていますか。
「そうだね……なんて言ったらいいかな。我々のテストプログラムはここまで順調に進んでいて、すでにかなりの距離を走り込んでいるし、様々な分野で色々な経験と情報を蓄積している。かなりいい内容のテストができているから、参戦準備に関してスタッフたちは自身を深めているよ。唯一、もう少し時間があればなあ、と感じるのは、2017年の初めまでに相応の数のWRカーを用意しなければいけないという点だ。完成度の高いWRカーをつくるためには、ボディシェルの製作にどうしても時間がかかってしまう。2台を同時に製作しているけど、仕上げるのに6週間かかるんだ。もうすぐ2017年用のボディ製作を始めることになるけど、ロジスティクスを考えれば、シーズン開幕前時点で最低でも6台は必要になるから大仕事だ」

──ホモロゲーション取得を考えると、スケジュールはよりタイトになります。
「そこについては大きな問題じゃない。パーツの開発や製作を始めるためには、重要な部分についての決定を今の段階で終わっていなければならないわけだからね。ホモロゲーション申請向けの最終的なテストは、車体面がクリスマスの前あたり、エンジンは11月の終わり頃だから、心配はないと思う。参戦準備に向けての進捗は、ペーパーワークも含め順調に流れているからね。各専門分野が、どこまで終わって、あと何をしなくてはならないのかをきちんと把握できているはずだ」

──では、クルマの開発は予定どおりだということですね。
「そうだね。テストも最初から順調だったし、様々なエリアでの開発もその流れを継承している。最も重要なポイントだと考えているのは、すでに非常にラフなコンディションでの走りを重ねているということだ。つまり、信頼性に関しては満足いくレベルまできているわけだから、その後の作業の予測が立てやすい。つまらないトラブルに悩まされることなく、自分たちのプログラムに完全集中することができているんだ」

Naoki Kobayashi

Naoki Kobayashi

──話によればテストチームはふたつあって、フィンランド国内でエンジンとギヤボックスの信頼性や耐久性のテスト、スペインやポルトガルでサスペンションのテストと、プログラムをふたつに分けているということですが。
「どこでそうなったか分からないけど、それは少し誤った情報だ。確かに我々はテストチームを分けている。基本的には3台のクルマで様々なテストを行う予定だが、スタッフはふたつのテストを同時に行えるだけの人数だから、テストチームはふたつということになると思う。現状、グラベル用に2台、ターマック用に1台のテストカーがある。今はフィンランドと南ヨーロッパでテストしているけど、ふたつのチームが別々の目的で走っているというわけでなくて、双方ともクルマ全体をテストし、様々な情報をフィードバックしている。ちょうど今、南ヨーロッパでテスト中だが、フィンランドにあるテスト車もこの後、ポーランドなどにも持っていく予定だ。3台目を使ったターマックテストを始めるのは9月から。8月はずっとグラベルテストを続けて、9月初めにターマックテストを開始したら、その後はターマックに専念するつもりだ。
テストに関する我々の基本的な考えは、すべての作業にできる限り多彩に取り組み、あらゆる要素に対応できるようにすること。TMGからきたエンジンや、トランスミッション、サスペンションなど、パフォーマンスに影響に与える重要なエリアは、両方のチームにそれぞれのエキスパートをおいて行なっている。ふたつのチームの情報共有もとてもうまくいっていて、同時にテストを行っている時でも、どちらかにすごくいい結果が出れば、すぐにもうひとつのチームに伝えられ、そちらでも試す。まさに、離れたところで一緒に作業に取り組んでいるような感じだ。だから、異なるコンディションから様々なアイデアが出てくるんだ」

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