WRC第8戦フィンランドは7月31日、デイ4の4SSを行ない、クリス・ミーク(シトロエン)が前日までの首位を守り切り、今シーズン2勝目。前回出場したポルトガルに続いての2連勝となった。2位はヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン)、3位には自身初表彰台となるクレイグ・ブリーン(シトロエン)。
ラリー最終日に用意されたステージは、わずか4SS、33.96km。すでに大差のついた首位争いは動きようがなく、注目はオィット・タナック(フォード)の追い上げで緊迫する3番手争いだ。オープニングのSS21、タナックはブリーンを4.3秒しのぎ、その差を4.8秒に削りとる。しかし続くSS22、スタートから3.4km地点の右コーナーでタナックはコースオフしてディッチにはまり、そこでリタイアとなってしまった。これで4番手にはティエリー・ヌービル、5番手にはヘイデン・パッドンとヒュンダイ勢が浮上するが、残るステージは17km弱しかない。なんとか初表彰台をモノにしたいブリーンはSS23でベストタイムをマーク。続く最終SSのパワーステージでは1-2タイムのヒュンダイ勢からの遅れを最小限に留め3位を確保。フィニッシュ後のTVインタビューで感涙にむせんだ。首位ミークはこの日はセーフティマージンを残しての走行。選手権争いに無関係のためパワーステージでもそのペースを貫き、ラトバラとの差を29.1秒に保ったままフィニッシュして今季2勝目を挙げた。同胞の世界チャンピオン、コリン・マクレーとリチャード・バーンズも叶わなかったフィンランド制覇を成し遂げたミークは、「今回はすべてがうまくいった」と充実の表情だった。4位、5位はヒュンダイ勢。マニュファクチャラーズ選手権でセバスチャン・オジエが脱落したフォルクスワーゲンとの差をわずかながら縮めている。
次戦は8月18〜21日開催の第9戦ドイツ。シーズン初の本格的ターマックラリーで、先頭走者の不利から解放されるオジエが本領を発揮するのか、あるいは伏兵が現れるのか、目が離せない。
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
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1 | クリス・ミーク | シトロエンDS3 WRC | 2:38:05.8 |
2 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | +29.1 |
3 | クレイグ・ブリーン | シトロエンDS3 WRC | +1:41.3 |
4 | ティエリー・ヌービル | ヒュンダイi20 WRC | +1:45.9 |
5 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20 WRC | +1:48.2 |
6 | マッズ・オストベルグ | フォード・フィエスタRS WRC | +2:04.6 |
7 | アンドレアス・ミケルセン | フォルクスワーゲン・ポロR WRC | +2:22.4 |
8 | エサペッカ・ラッピ | シュコダ・ファビアR5 | +4:53.8 |
9 | ケビン・アッブリング | ヒュンダイi20 WRC | +5:22.4 |
10 | テーム・スニネン | シュコダ・ファビアR5 | +5:35.5 |