今週末に開催されるラリースペインは、フォルクスワーゲン・ポロR WRCにとってWRC参戦50戦目。この記念すべきイベントでは、フォルクスワーゲン・モータースポーツが3つのタイトルを確定させる可能性が高まっている。
ドライバーズタイトル4連覇がかかるのは、もちろんセバスチャン・オジエ。選手権争いで2番手につけるチームメイト、アンドレアス・ミケルセンは、昨年のスペインで自身初のWRC勝利をマークしているが、現在オジエとは68ポイント差がついている。
オジエがタイトル4連覇をスペインで決めるには、少なくとも3位以上でのフィニッシュとパワーステージで1ポイント獲得することが絶対条件となる。さらに、ミケルセンのリザルト次第で持ち越しになる可能性も残しているほか、ティエリー・ヌービルも自力でタイトルを獲得はできないものの、わずかながらチャンスは残している。しかし、オジエがスペインで1ポイントでも獲得できた場合、またはヌービルがマキシマムポイントを獲得できなかった場合は、ヌービルのタイトルの可能性は消滅する。
一方、フォルクスワーゲン・モータースポーツのマニュファクチャラーズタイトルは、まだそれほど確定の可能性が高まっておらず、選手権2位につけるヒュンダイよりも20ポイント以上獲得することが求められる。
タイトル4連覇が目前に迫っているオジエは、「ドイツとフランスでの狙いは、選手権でいい状況を作ることだった。ここで連勝して、タイトル確定に向けていいステップを踏むことができた」と語る。
「これで、少しリラックスすることができた。スペインは、グラベルと舗装、両方の路面をひとつのラリーで走るシーズン唯一のイベント。2013年と2014年はいい内容になったが、去年は最終のパワーステージでミスをしてしまい、優勝を逃してしまった。今年は、同じことは起こさないと約束する。しかし、スペインではミスを挽回することが目標ではない。2016年タイトルを決めるというモチベーションは十分に高まっている」
一方、ヤリ‐マティ・ラトバラも、このスペインで優勝を狙うひとり。フォルクスワーゲン勢では唯一、カタルーニャでの優勝経験がないだけに、その意欲は高い。
「ラリーフランスは厳しい週末になってしまったので、気持ちをすぐスペインに切り替えた」とラトバラ。
「スペインでは、ここ4年間2位フィニッシュ。とても楽しめるイベントだ。レッキで十分に注意を払い、いつも以上に正確なペースノートを作らなくてはならない。コースの変更は少ないので、大きく変える必要はなさそうだ。SSはフランスよりも短いので、自分にも向いている。スペインでいい走りをしたいというモチベーションは高まっているよ。ここのところ結果が奮わないので、絶対に勝ちたいイベントだ」
昨年の衝撃的なWRC初優勝が記憶に新しいミケルセンは「グラベルからターマックに切り替えるのに苦戦したが、初優勝を飾れていい思い出ができた」と語る。
「今回は、デイ1で昨年よりも速さを出したい。前回は上位に対して、タイムロスが多すぎた。今年は、木曜日夜のバルセロナから金曜日と、全開で攻めていきたい。それができれば、今年連覇を果たせるという自信がある。そうなればうれしいし、選手権2位がより強固なものになる」