皆さまこんにちは、ラリプラWeb担当ざうるです。
朝晩の冷え込みが一段と厳しくなってきた今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。全日本ラリー選手権も最終戦を終え、今週末のWRCオーストラリアとAPRCインド戦で今シーズンも締めくくりですね。つい先日までハロウィンだった街なかのディスプレイも、気がつけば一気にクリスマスへ。迫りくる年の瀬の勢いにちょっと焦っております(汗)
ところで、ワールドラリーカレンダー2017のご注文はお済みでしょうか? ワールドラリーカレンダー2017に収録された珠玉の写真たちについて、小林直樹カメランが自ら解説する連載も今回で2回目。すでに入手していただいている皆さまやラリプラ・メンバーズ会員の皆さまは、お手元のカレンダーを眺めながら小林カメラマンの解説を読むと、より一層お楽しみいただけるかと思います。
それではスタートです。
4月 デザイナーと何度も調整を重ねました
ポルトガルのファフェという名物ジャンプです。去年はゲートのそばで撮っていたのですが、今年はカメラマンの立ち位置がかなり制限されて、お客さんの1mくらい前あたりまで下げられてしまったんです。ただ、何名かのカメラマンが、たまたま3mくらい前にあったビデオクルーのケーブルを差して「ここまで出てもいいだろう?」とオフィシャルに交渉して、それが認められてこの場所で撮影できました。現場ではそういうこともよくあります。
この時は逆光になる時間帯で、ゲートとマシンと風車とギャラリーが入るようにあえて引いて撮りました。逆光なので半分シルエットっぽくしたかったので、カレンダーにするに当たっては明るくなりすぎないように、2回か3回、デザイナーと調整を重ねましたね。
5月 ヌービルはとんでもないスピードで
見えないところから一瞬で飛び出してくるコーナーなんですが、すごく怖いんですよ。なかでもヌービルはとんでもないスピードで飛び出してきて、あとでWRCの映像を見て驚きました。
もうちょっとクルマのアクションがあるかと思ったんですが、こんなふうにタイヤを浮かせてカウンターを当てながら走って来てくれたのはヌービルくらいでしたね。
ヒュンダイのマシンは個人的にはあまり好きではないんです。やっぱりクルマが大きくて、フェンダーの張り出し具合が小さく見えて軽快感があまりないような印象に見えてしまうんですよね。モデルとしては旧i20の方がカッコよかったかなとは思います。
6月 ブドウ畑に囲まれた写真が撮りたくて
ドイツのブドウ畑ですね。ブドウ畑に囲まれた写真が撮りたくてずいぶん探しました。レッキの時は人がいたんですが、たまたま大勢が入ってくれたのもよかったです。
フォードは好きなんですけど、なかなか勝てないですよね。昔はミッコとかラトバラとかマクレーとか速い人もたくさんいました。フォードは強くないといけないと思うんですけどね。
7月 ここまで飛んでくれたのはオジエだけ
フィンランドでのジャンプの写真です。
ここのコーナーは絶対にアクションがあると思っていたので、それを期待して撮ったのですが、ここまで飛んでくれたのはオジエだけでした。ここには僕ともうひとり、イタリア人カメラマンがいたのですが、ラトバラがオーバースピードでアンダーを出して、カメラマンが立っているすぐそばを走って来て、必死になって逃げたのを覚えています。
フィンランドはやっぱりそういう場所が多いですね。うねっているところがすごく多いから、ペースノートのとおりに走らないと、目視では次のコーナーが見えないところはたくさんありますから。自分で走っていても、リズムが分かって来るとだんだんスピードも上がるんですが、ひとつ先で飛び出してしまうようなところがたくさんあります。
そういう意味では、こういう道を生活道路として普通に走っているフィンランドの人は、そりゃラリーがうまくなるよなぁと思います。
8月 フィンランドらしい白樺の森の中を走るところが撮りたくて
フィンランドらしい白樺の森の中を走るところが撮りたくて、森の木と青空を入れて撮った1枚です。アウト側で撮っていて、砂利もたくさん飛んで来たので、実はこのカメラにも石がたくさん飛んでフィルターが傷だらけになってしまいました。
天気はよかったのですが、大きい雲が移動していたので、マシンと木の部分の陽の当たり方が一番よかったのがこのミークとラトバラでした。陽が当たっていない前後の写真とはずいぶん印象も違いますよ。
次回は11月下旬頃に公開予定です。
WORLD RALLY CALENDAR 2017
ワールドラリーカレンダー2017
A2変形判・13ページ・オールカラー撮影: 小林直樹
発行: 合同会社サンク
価格: 2,800円(税込)