フォルクスワーゲンは11月2日、モータースポーツプログラムの再編を発表。新テクノロジーとカスタマースポーツに専念し、2016年末でWRC活動を終了することを発表した。
「フォルクスワーゲブランドは、壮大な試練に挑もうとしている」とフォルクスワーゲンでテクニカル部門の責任を担う取締役会のメンバー、Dr.フランク・ウェルシュ(写真中央)はコメント。「我々の車両レンジの電子化が拡大していくなかで、将来のテクノロジーに重点を置いて尽力していかなくてはならない。WRCでは予想を大きく上まわる成功を収めた今、フォルクスワーゲン・モータースポーツを再編し、将来の車両技術に関して、より明確に専念していくようになる」
「同時に、フォルクスワーゲンはカスタマーレーシングにより重点を置くようになる。サーキットレースでのゴルフGTI TCR、ラリークロスでのビートルGRCをはじめ、カスタマーにはトップクラスの車両を提供し、新たにR5規定のポロを開発する」
このポロR5は、次世代のポロをベースとし、2018年からカスタマーへの供給を予定しているという。これまでのWRC活動での経験は、このポロR5に集約される。
一方、WRCチームについては次のように語られている。
「素晴らしい成果を収めてくれたドライバー、コ・ドライバーたちには、心から感謝している。彼らは信じられないほどの速さを見せただけでなく、フォルクスワーゲンというブランドのアンバサダーでもあった。モータースポーツディレクターのスベン・スミーツを中心としたチーム全体が、それぞれの目標に対して大きな成果を残してくれた。この素晴らしいチームとの取り組みを継続していきたいし、再編計画の中にも組み込んでいく。同時に、量産車開発とモータースポーツとの緊密な連係を拡大していく。このことで、フォルクスワーゲン・モータースポーツの従業員の雇用は保証される」
「チームは、素晴らしい仕事をやり遂げた。同時に、我々のビジョンは、しっかりと前を向いている。会社全体が直面している壮大なチャレンジについては、みんなが心得ている。我々は今回の再編によって、フォルクスワーゲンブランドの成功に貢献したいと思っている。これからは、焦点をモータースポーツにおける将来的な技術と、カスタマースポーツに置いていく。ここでより幅広く、魅力的に自分たちの存在を主張していく」