フォルクスワーゲンが2016年末でWRC活動を終了するニュースを受け、レッドブル・メディアは、ドライバー、チーム代表、WRCジャーナリストなどWRC関係者のコメントをまとめた。
クリス・ミークは「言うまでもなくフォルクスワーゲンのチームにとって悪いニュースだし、チーム関係者のことが気掛かりだ」とコメント。「クルーだけでなく、エンジニア、メカニックなど、チームすべてのスタッフのことがね。同時に、選手権全体にとってもいい話ではない。レッドブルとともにフォルクスワーゲンは、WRCを活性化するためにとても尽力してきたし、プロモーション面でも素晴らしい活躍を遂げてきた。僕らはみんな、彼らに心から感謝している」
「スポーティング面でも、本当に見事な活躍をしてきた。来季、そんな彼らに対して僕らがどのように戦っていけるのか、とても興味深く考えてきた。自分にとっても、本当に大きな損失だ。もうあのマシンで戦う彼らに、誰ひとりとして挑むことができなくなるんだ」
「彼らがラリー界で収めてきた成果を考えてみてほしい。いくつものラリーで勝ち、タイトルを獲ってきたのに。そして、シーズンもあと数週間で終わりを告げようとしている今、彼らはWRCを去り、歴史の一幕となってしまうんだ」
「もちろん悲しいことだが、唯一、常に記憶に残るのは、彼らが生み出してきた記録だ。誰ひとり、あのランチアも、過去の素晴らしいチームさえも、フォルクスワーゲンやオジエのようには圧倒できなかった」
「選手権にとって本当に悲しい1日だった。しかし、フォルクスワーゲンはWRCに参戦した時に比べ、はるかに存在感を高めて選手権を去って行くことになった。フォルクスワーゲンは、パフォーマンスレベル、選手権におけるプロフェッショナリズムへのこだわりを追求してきた。これは、レガシーとして残り続ける」
「彼らが生み出してきた思い出は、いつまでも残るだろう。モンテカルロでの初めてのステージ勝利(2013年)は、鮮烈が走った。スウェーデンでの初勝利は、周囲を魅了したし、セバスチャン・オジエが初めてのタイトルをラリーフランスの開幕ステージで確定させたのは、純粋に痛快だった。みんなが、フォルクスワーゲンを名残惜しく思う。特に僕は、サービスパークの名物だった、最高のコーヒーマシンにありつけなくなるのかと思うと、本当に寂しい」
「我々はフォルクスワーゲンに感謝しなくてはならないことがたくさんある。ダカールで優勝し、WRCに参戦してからもこれほど勝利を重ねるほど大きなコミットメントを達成したマニュファクチャラーは、そう多くはない」
「実戦を開始する前の初年、私はポロをテストしていたが、信じられないようなマシンだった。チームが必死で努力を重ね、これほどの成功を収めたことにも、驚きはない」
「フォルクスワーゲンがWRCを離れていくというニュースは、心に重くのしかかった。どうして? カレーのスパイスがひとつなくなるようなもの。選手権と、もっと重要なのはファンのみなさんにとっても、競技やプロモーションで大活躍してきたチームを失ってしまうこと」
「フォルクスワーゲンがWRCに参戦してきた時から、彼らは成功を収めるのだと決意を固めていた。最高のスタッフとドライバーをそろえ、意気揚々と選手権に乗り込んできた。そこからの彼らは見事だった。とにかく素晴らしいマシンと、エンジニアリングの知識だけでなく、ラリーを満喫する能力にも長けていた。ソーシャルメディアや卓越したマーケティング、見応えのある映像コンテンツを通して、私たちはドライバーのパーソナリティにも触れることができた。自分がまるでチームの一員のような気分にさせてくれた。ラリーをより身近に感じられるようになったと思う」
「我々はフォルクスワーゲンがWRCで戦っている姿を見る方がうれしいが、それでも私は来年が面白いシーズンになり、選手権がコンペティティブになると信じている。タイトルを4回獲るための戦いがどれほど大変なのか、私はよく知っている。とにかく必死に取り組み、あらゆる面で最大の努力を払わなくてはならない。彼らは本当によくやった」