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WRCメキシコ:ラリーレポート

 

 2014年シーズン、最初のグラベルラウンドはWRC随一の高地ステージを走破するラリーメキシコ。ルートはリエゾンの距離が短くコンパクト、優秀なイベントオーガナイズも含めてWRCの優等生とも言われる。しかし、その標高の高さからエンジンのパワーダウンを強いられるため、マシンには非常に厳しいイベントのひとつとなる。
 3月6日木曜日に古都グアナファトのストリートステージでラリーは幕を開けた。オープニングステージを制したのはフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジエ。2番手にはフォード・フィエスタR5をドライブするオィット・タナックが0.3秒差でつける。

オジエ、余裕の首位快走

 翌7日金曜日から、本格的なステージでの戦いの火蓋が切って落とされる。序盤、リードしたのはSS3、SS4と連続ベストをたたき出したシトロエンのマッズ・オストベルグ。有利な後方スタートを活かし、オジエをパスして首位に立つ。ところが、ステージにラインができあがった午後に入ると、オジエが本領を発揮。SS6〜8まで圧巻の3連続ベストを並べて首位を奪還する。2日目を終えて2位オストベルグとの差を26.1秒にまで広げてみせた。3位にはオジエのチームメイト、ヤリ‐マティ・ラトバラが続く。
 この日は多くの有力クルーがアクシデントやトラブルに見舞われた。SS3ではフォルクスワーゲンのアンドレアス・ミケルセンがコースオフ。SS8では3位につけていたMスポーツのミッコ・ヒルボネンが電気系のトラブルでストップし、同じステージでシトロエンのクリス・ミークもサスペンションを壊してリタイアを決めた。さらに、初挑戦のメキシコながらも4番手を走行していたロバート・クビカがこの日を締めくくるスーパーSSで転倒。リタイアを余儀なくされている。
 ラリー3日目、オジエが余裕の快走を見せるなか、2位のオストベルグがSS12で左リヤサスペンションにダメージ。なんとかステージを走り切ったものの、ラリー続行を断念することに。この結果、2位にラトバラが浮上し、フォルクスワーゲンは早くも1-2体制を築いてみせる。その後方では3分以上離されているものの、ヒュンダイのティエリー・ヌービルがMスポーツのエルフィン・エバンスをかわし、3位にポジションを上げた。
 4本のステージをサービスなしで駆け抜ける最終日は、今回最長を誇る55.92kmのSS20を含む。オジエは残されたステージも安定したペースでまとめ、開幕戦モンテカルロに続く2勝目。さらにパワーステージでもベストを刻み、フルポイントを獲得した。
「メキシコは本当に大好きなラリーなんだ。2008年にJWRCで初勝利を決めたのもここなんでね。それに、選手権トップにも戻ってこられたよ!」と、オジエは表彰台で喜びを爆発させた。フォルクスワーゲンは1分12秒6差の2位にラトバラが入り、前戦スウェーデンに続くシーズン2度目の1-2フィニッシュ。マニュファクチャラーズ選手権で、2位のシトロエンに55点もの大差をつけて、首位を独走している。

ヒュンダイ、初の表彰台

 3位はヒュンダイに初の表彰台をもたらしたヌービル。トップのオジエには5分以上の大差をつけられたものの「メキシコのような難しいイベントで表彰台に上がることができて本当にうれしいよ。とにかく限界を超えないように集中した。僕らの目標はラリーカーをフィニッシュさせること。3位表彰台はボーナスみたいなものだね」と冷静にラリーを振り返った。また、ヒュンダイは今シーズン初参戦のクリス・アトキンソンも7位で完走しており、うれしいダブル入賞となった。
 4位はWRC自身最上位を記録したエバンス。5位はプライベター体制でフォード・フィエスタRS WRCをドライブするマルティン・プロコップ、6位には地元メキシコのベニート・ゲラが入っている。



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