トヨタは、18年ぶりとなるWRC復帰戦モンテカルロを迎えるにあたり、チーム代表のトミ・マキネンと、ステアリングを握るヤリ-マティ・ラトバラ、ユホ・ハンニネンのコメントを発表した。
トミ・マキネンチーム代表
ラリーモンテカルロは、一瞬の間に状況が変わりうるラリーなので、リラックスし、柔軟な姿勢で挑むことが重要だと考えている。クルマのパフォーマンスに関しては、我々がどのくらいの位置にいるかは分からないし、他のラリーと一線を画すラリーモンテカルロで、その答えが分かるとは思っていない。
ここまで、非常に限られた期間で準備を進めてきたことは大変だった。もちろん、他のチームも今年はゼロからクルマを開発しなければいけなかったが、彼らには積み上げてきた経験があり、我々にはそれがなかった。
私は、自身のラリーモンテカルロの経験をドライバーに話したが、最後は、彼らとクルマに託している。少しでも多くの距離を走り、2台のクルマがトップとの距離を少しでも縮めて完走する事ができたら嬉しい。それは、クルマの開発・改良を重ねていく過程で非常に重要だと考える。トヨタには「改善に終わりはない」という言葉があるように、参戦を通じ、もっといいクルマづくりを追及し続けていきたい。
ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC 10号車)
2か月前は、トヨタの選手としてラリーモンテカルロに出場するとは夢にも思っておらず、とても興奮している。4日間のスノーテスト、1日間のグラベルテスト、7日間のアスファルトテストと計12日間テスト走行し、改善を実施できたと思う。ヤリスWRCは競争力が高いと思っているが、各チームが新しいクルマで競うので、相対的に我々がどのくらいの位置にいるかは分からない。いずれにしても、今年は開発のための学びの年だと考えている。ラリーモンテカルロはまず完走を目指し、シーズン半ばから表彰台を狙えるようにしていきたい。
ラリーモンテカルロは予測不可能で、多くの目標を持つことはあまり意味がないと考えている。2015年は、特別な目標を持っていなかったが、2位で終える事ができた。一方で2016年は、表彰台を目指したが、リタイアで終わってしまった。不測の事態やタイヤ選択の難しさにより、ラリーモンテカルロはドライバーにとって、とてもストレスのかかるラリーだが、それだけに日曜日に王宮前でゴールにたどり着いた時には、格別の達成感を感じることが出来る。
ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC 11号車)
ラリーモンテカルロは、過去に4度出場し、うちWRカーでは1度出場したことがある。私が最後に出場したラリーは2015年のラリーフィンランドなので、WRCがいよいよ始まることがとても楽しみだ。テスト走行でのヤリスWRCにはとても良い感触を持っているが、何が起こるか分からないし、最後に参戦してから時間が経っている。モンテカルロの結果については、特に考えていないが、リラックスして競技に臨み、もちろん完走を目指したい。我々はまだ多くの事を学ばなければいけないが、シーズンが始まってしまえば自然に適応できると思う。
今回は、コ・ドライバーのカイと走る初めてのラリーで、彼と一緒に走る事が出来てとても嬉しく思うし、ここ数か月間、家族よりも多くの時間をカイと過ごし、準備ができたと思っている。トミのおかげで家族のような雰囲気のチームができており、皆一生懸命働きつつ、笑顔で冗談も言い合う空気がある。私を含め、皆がこのスタートを心待ちにしている。