WRCメキシコ、イベント前記者会見の内容
(抜粋)
●WRCプレイベントカンファレンス出席者
クリス・ミーク=KM(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
ベニート・グエラ=BG(MスポーツWRT)
クリス・アトキンソン=CA(ヒュンダイ・モータースポーツ)
ミッコ・ヒルボネン=MH(MスポーツWRT)
セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
Q:
クリス(ミーク)、メキシコは初参戦だが、楽しみにしているか?
KM:
正直、かなりトリッキーになると思う。テレビではいつも観ていたし、高速でリズミカルでオープンないいステージだと思っていた。でも、この暑さの中で、1速、2速のコーナーを実際に走ってみた時はかなり驚いた。予想していたよりもかなりトリッキーだけど、やりがいがある。初めてのラリーだが、マシンの調子はいい。とはいえ、このラリーでは勝ちたい相手がいるという状況じゃない。ノートでもドライビングでも、これまでの経験にはないものばかりだ。
Q:
ロングステージが多いが、厳しいチャレンジになるか?
KM:
前回メキシコに来た時はバイクで1850kmのステージをノンストップで走り、41時間かかった。だから55kmも、たいしたことないよ。
Q:
モンテカルロではポディウムを目指すと言っていたが、ここではどうか?
KM:
他のWRCドライバーが5回も6回も出ているところで上位につけるのは、難しいものだよ。初参戦で彼らと戦うのは現実的じゃないが、初日の僕の走行順は有利だとは思う。具体的なターゲットはない。シーズンの初めから、スウェーデン、メキシコ、ポルトガルは初めてのラリーだと承知していた。僕には経験が必要なんだ。でも、リザルトがよければ、もちろんうれしいけどね。
Q:
ベニート、母国のイベントにWRカーでMスポーツからの参戦。準備はバッチリか?
BG:
またWRカーに乗ることができてうれしいよ。昨年は初めてシトロエンで乗って、素晴らしい経験だった。今年はもっと積極的にプッシュしたい。いいタイムでフィニッシュしたいし、なじみのあるステージでは、速さも見せたいね。WRカーでの2回目の参戦チャンスを与えてくれたMスポーツには本当に感謝している。
Q:
フィエスタWRCとの相性はどうか?テストはどうだった?
BG:
テストは今日だけで、午前が初めてだった。ラリースペインの後、マシンやMスポーツの人との顔合わせのために、小さなテストを行ったが、40kmだけだったしマディだった。今日は滑り出しとしては上々だが、マシンには手を加えるところがたくさんある。金曜日の感触がよければ、土曜日の午前には少しプッシュするつもり。
Q:
今季、この後の予定は?何戦に出る予定?
BG:
去年はここで8位に入り、マシンもクラッシュさせずポイントも獲得した。スポンサーに対してはいいアピールになったが、今回はもっと順位を上げなくてはならない。ワークスドライバーが増えているから、簡単じゃない。全力を尽くし、大丈夫だと思ったステージではプッシュする。ここでいい結果が出せれば、アルゼンチンに参戦できるチャンスが得られる。ヨーロッパよりも慣れているイベントだ。アルゼンチンがうまく行けば、今年6,7戦に出て、2015年にフル参戦できるチャンスにつなげられる。だから、大きなプレッシャーを感じている。WRカーに乗っているメキシコ人は僕だけだから、みんなのためにもいい結果を出したい。
Q:
クリス(アトキンソン)、WRCに戻ってきたね。ヒュンダイ・モータースポーツから、i20での初参戦だが、手応えは?
CA:
ロングステージが多いし、参戦経験も少ないので、一年の中でも最も厳しいイベントだ。サファリの時代にはロングステージがあったことは知っているが、このラリーでも80%が50km以上のステージだ。みんながラリーをやっている間、僕は十分トレーニングする時間があった。オーストラリアでしっかり体を作ってきたけど、誰にとってもタフなイベントだ
Q:
この週末の戦略は?チームからは具体的な指示は出ているのか?それとも思い切り攻めることができる?
CA:
2台揃ってフィニッシュを迎えたいというのは、明白だと思うね。いつだって簡単なことじゃないが、それを目指してここにいる。僕はこれまでにメキシコでいい成績を出しているから、それが活かされるといいけど。
Q:
ミッコ、今季はMスポーツに復帰して、2戦を終えて選手権では7位にいる。ここまでの自分のパフォーマンスをどう評価する?
MH:
ペースはいいし、いい位置につけていきたいね。今年はここまで浮き沈みがあった。いい流れを続けて、ペースに余裕がある時は猛プッシュしていきたい。今必要なのは、とにかく走ることだと思う。
Q:
イベント前にテストを行ったが、セッティングには満足?今朝のシェイクダウンでのフィーリングは?
MH:
ああ、OKだよ。でもテストでは雨が降っていたから、あまり似たようなコンディションにはならなかった。
Q:
初日はいい走行順だが、これをうまく活かしたい?
MH:
そうしなくてはならないね。6番手は悪くない。クリス(ミーク)とマッズ(オストベルグ)も走行順がいいし、セブ(オジエ)も2番手からプッシュするだろう。僕もプッシュしていくよ。ロングステージがあり、暑く標高も高い。ドライバーにもマシンにもタフになる。
Q:
WRCコンペティターの中では最もメキシコの参戦数が多いが(8回)、この経験は生きる?
MH:
そうだね、でもただ年を取ったと感じるだけかもね!
Q:
セバスチャン、去年はここで優勝した。今回、初日はもっといい走行順だ。アドバンテージになるか?
SO:
去年は予選制があったから、ちょっと事情が違った。ヤリマティ(ラトバラ)よりも、いい順番を狙っていた。いつもルーズグラベルを掃かなくてはならない。シェイクダウンでのペースは悪くなかった。優勝争いができる自信があるよ。
Q:
標高が高くロングステージも多いチャレンジングなイベントだが、好きなラリーか?
SO:
このラリーは見た目よりも難しいと思う。レッキでは問題ないが、毎年セカンドループになると石がたくさん出てくる。どうしてなのか分からないが、予測できない。これには気をつけなくてはならない。スウェーデンでは小さなミスをしたが、大きな問題ではない。デイ1では少し楽になる。ほんの少しリラックスするだけ、スウェーデンのように緩みすぎないように。たぶん、あれは常に全力で臨まなくてはいけないというお告げだったんだと思う。集中力を欠いたら、途端にミスしてしまうと。このラリーは好きだよ。去年は初優勝したし、2008年ではWRC初参戦でジュニア部門トップだった。標高にも慣れたし、ドライビングスタイルも調整できる。僕のドライビングはクリーンだから、ここのコンディションにも合っている。
Q:
去年勝った時のカーボウイハットは被ってる?
SO:
正直、被ってない。今年のはもっと素晴らしいと聞いた。誰かが、今年も勝てよって言ったよ。今年のハットはもっといいからって。