全日本ラリー選手権は、1980年から行われている国内最高峰のモータースポーツのひとつです。2012年以降は年間9戦が開催されており、北は北海道から南は九州まで、全国各地を転戦しています。
全日本ラリー選手権では、改造範囲や気筒容積によって6つのクラスに区分されています。
JN-6クラス – 最高峰クラスはWRX STIとランサーエボリューションXの戦い
2500ccを超える4輪駆動のRN、RJ主力車種:スバルWRX STI、三菱ランサーエボリューションX
JN6クラスは全日本ラリー選手権のなかでも最高峰の花形クラスです。このクラスの主力となるのは2Lターボの4輪駆動車、すなわちスバルWRX STIと三菱ランサーエボリューションX。いずれ劣らぬ百戦錬磨のベテランたちが激しく鎬を削っています。
JN-5クラス – 2WDの頂点を決めるバトル、FIA公認のRR車両も
2500ccを超える2輪駆動のRN、RJ、およびRR(気筒容積別区分なし)主力車種:プジョー208 R2、シトロエンDS3 R3-MAX、アバルト500ラリーR3T
ラリーRR車両が唯一参戦できるのがこのJN5クラス。ラリーRR車両とは、FIA公認のFIAによりグループR(R1~R3)として公認されたラリー専用のレーシングカー。その他にもトヨタ・ヴィッツGRMNターボ、プジョー208 GTiなど、バラエティに富んだラリーカーが2WD最速を競います。
JN-4クラス – トヨタ86&スバルBRZに、FF・4駆勢が戦いを挑む
1500ccを超え2500cc以下のRN、RJ主力車種:トヨタ86、スバルBRZ、ダイハツ・ブーンX4、ホンダ・シビックタイプR(FD2)
トヨタ86とスバルBRZの実質ワンメイクに近い状態となっているこのクラス。車両の基本性能に大きな差がないだけに、ドライバーとコ・ドライバーのコンビネーションが問われる接近戦が繰り広げられます。また、グラベルラリーではダイハツ・ブーンX4の速さも健在です。
JN-3クラス – 身近なコンパクトカーが覇を競う
1500cc以下の2輪駆動のRN、RJ主力車種:トヨタ・ヴィッツ、マツダ・デミオ
JN3クラスは1.5Lまでのコンパクトカーが走るクラス。トヨタ・ヴィッツ、マツダ・デミオなど、身近なハッチバック車が驚くほどのスピードを見せるのがこのクラスの魅力といえるでしょう。
JN-2クラス – 比較的ローコストで参加でき、腕の差が出やすいクラス
1600ccを超え2000cc以下の2輪駆動のRPN主力車種:トヨタ86、スバルBRZ
こちらもJN4と同様、トヨタ86とスバルBRZの2車種による実質的なワンメイククラス。改造範囲が制限されており比較的ローコストで参戦できることから若手の登竜門ともなっていて、若者たちの挑戦をベテラン勢が受けて立つ構図となっています。
JN-1クラス – 参加しやすさが魅力の入門クラス
1600cc以下の2輪駆動のRPN、およびAE(気筒容積別区分なし)主力車種:スズキ・スイフトスポーツ、ホンダ・フィット、マツダ・デミオ、日産マーチ、トヨタ・ヴィッツ、トヨタ・アクア
比較的ローコストで参加できるJN1クラスには、スズキ・スイフトスポーツ、ホンダ・フィット、マツダ・デミオ、日産マーチNISMO S、トヨタ・ヴィッツRSなどバラエティ豊かなコンパクトカーたちが揃います。また、AE車両(電気自動車やハイブリッド車)もこのクラスに区分され、トヨタ・アクアなどは意外な速さを披露するかも。
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