ERC第5戦イプルーラリー(ターマック)は 6月25−27日にベルギー西部の商業都市・イプルーで開催される。
ERCの名門イベントの一つ、イプルー戦のターマックステージはナローで、側道に排水溝 電柱が並ぶトリッキーな性格。タイトなジャンクションも、ドライバーを手こずらせる鬼門だ。
ラリーは、6月25日にフリープラクティスに続いて予選ステージが行われた後、競技は6月26日夕方にスタート。この日はSS1の後に3SSを2回ループする計7SSが設定されるが、1号車がSS7をスタートするのは21時になる。翌27日は1号車が10時20分にパルクフェルメをアウトした後、5SSを2回ループする10SSの構成。この時期、ヨーロッパの日照時間が長い環境を活かした、競技スタートからフィニッシュまでの17SS・253.38km、総走行距離505.58kmが30時間で終了する非常にコンパクトな構成だ。
注目は、何と言っても今イベントをこれまで9回制している地元強豪のフレディ・ロイクス。今回は、マシンをシュコダ・ファビアR5にスイッチしての登場だ。ベルナルド・ミュンスター率いるBMAオートスポーツからエントリーする。
「イプルーの道をこのマシンでドライブしたくてたまらないよ」とロイクス。「S2000と比べ、トップスピードが最大の武器。方向転換、特にTジャンクションでの左折、右折などでも違いを感じると思う。ファビアR5の加速は並じゃないよ」
ファビアS2000では、その信頼性が最大の強みだったが、ロイクスは新型のR5マシンも既にそのポイントはクリアしているという。
「ここ数ヶ月、ファビアR5をテストしたけど、予想出来ないような技術トラブルは一切なかった」とロイクス。「シュコダ・モータースポーツは、R5マシンの開発に非常に時間をかけてきた。その目的は信頼性を高める事。それを果たしている。S2000では素晴らしいタイムをマークしてきたから、R5にも同様のパフォーマンスを期待しているよ」
このイベントにはシリーズリーダーのクレイグ・ブリーン(プジョー208 T16)の他、ヒュンダイのWRCテストドライバーに起用されているケビン・アッブリングがシトロエンDS3 R5でプライベート参戦。
また日本から、2013年にトヨタ・ヴィッツで全日本JN2タイトルを獲得した川名賢が、フォード・フィエスタR2でエントリーしている。コ・ドライバーは、全日本ラリーで鎌田卓麻のパートナーも務める市野諮。川名は、5月のフランスラリー選手権参戦に続き、今季2度目のヨーロッパ遠征となる。