日本国内で行われる国際格式イベント3戦を対象とした、日本スーパーラリーシリーズ(JSR)の開幕戦「Rally of Tsumagoi」は、2月4日に8カ所のテージを走行し、開催地の嬬恋村在住の地元スペシャリスト黒岩満好/高橋巧(三菱ランサーエボリューションIX)が炭山裕矢/保井隆宏(トヨタ・ヴィッツ4WD)を逆転、10.0秒差をつけて首位に立った。35.0秒差の3位には千明正信/松本優一(スバル・インプレッサWRX STI)がつけている。
早朝から雲ひとつない快晴に恵まれたデイ2。前日のナイトステージを終えて、2位に17.3秒差をつけた炭山は、この日のオープニングとなるSS6で痛恨のスピンを喫してしまった。さらにコース復帰にも手間取り、20秒以上のタイムロス。このステージでベストを刻んだ前日3位の黒岩が首位に浮上し、2位に千明、炭山は3位にまでポジションを落とた。
炭山は続くSS7でベストを刻むと、すぐに首位を奪還。黒岩もSS8でベストを取り返し、再び首位に浮上する。しかし、意地を見せた炭山がSS9でもベストタイムを記録し、黒岩に2.1秒差をつけてトップで午前のループを終えた。サービスに戻ってきた炭山は「最初のステージのスピンで気が抜けない接戦になってしまいましたね」と、肩をすくめる。
午後のセクションに入り、気温が上昇するとともに路面の雪が溶けて緩み始めシャーベット状態のコンディションに。この滑りやすい路面に対し「自分の想定していた路面コンディションだった」と語る黒岩がSS10でベストを叩き出し、再び炭山を抜きトップに立った。黒岩と炭山のシーソーゲームは、続くSS11とSS12で黒岩が連続ベストを刻み、2位の炭山との差を10.0秒に広げて2日目を終えた。3位は前日からひとつ順位を落とした千明、4位には青山康/船木淳史(スバル・インプレッサWRX STI)が続いている。
JSR 1位 黒岩満好
「今日は順調に走ることができましたし、炭山選手を逆転できました。路面が自分の想定していたコンディションだったことが大きかったですね。午前中はアスファルトとアイスバーン、午後はシャーベット状態、夕方は再びアイスバーンと想定していました。セッティングや走らせ方がうまくはまり、クルマを横に向けてもしっかりとトラクションが掛かってくれました。特に今日最初のパノラマ(SS6)はフルアタックをかけることができ、良いタイムにつながったと思います。明日は午後から雨か雪という天気予報が出ていますが、明日は明日ですし、実際に走ってみてから対策を考えたいと思います」
JSR 2位 炭山裕矢
「黒岩選手にやられてしまいましたね。今日はステージや時間帯によって路面状況が変わるという難しいコンディションに走りをうまく合わすことができず、タイムを落としてしまいました。明日は天候が微妙ですし、まだ何があるか分かりません。頑張ります」
JSR 3位 千明正信
「後半のセクションはスタッドタイヤがあまり路面コンディションに合いませんでした。これで前の2台に離されてしまいましたね。ちょっと厳しい展開でした。天候が変われば、状況も変わると思うので、前に食らいついていきたいです」
JSR 4位 青山 康
「午前のセクションに比べれば、午後はペースアップできたと思います。少しだけ前との差が縮まりました。明日は天候が変わるようですが、コンディションは全員一緒なので、頑張るだけです」
JSR 8位 ウェイン・スチュワート
「いい1日だったよ。すごく一所懸命に走った。Panorama(SS6/SS11)はいい走りができたけれど、それ以外のステージはイマイチだったかな。セッティングをソフト目に変えたのが良かったと思う。問題はドライバーだね(笑)。明日は雨になっても、雪になっても、フィニッシュを目指すだけだよ」
Rally of Tsumagoi(インターナショナル)デイ2終了時点リザルト
順位 | ドライバー | 車両名 | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | Mitsuyoshi KUROIWA | 三菱ランサーエボリューションIX | 40:24.0 |
2 | Yuya SUMIYAMA | トヨタ・ヴィッツ4WD | +10.0 |
3 | Masanobu CHIGIRA | スバル・インプレッサWRX STI | +35.0 |
4 | Yasushi AOYAMA | スバル・インプレッサWRX STI | +55.7 |
5 | Kouichi NOGARIYA | スバル・インプレッサWRX STI | +4:45.0 |
6 | Mitsuhiro AOKI | 三菱ランサーエボリューションX | +4:58.2 |