今季WRC第2戦スウェーデンは、2月9日〜12日の日程で開催される。一新されたWRカー勢は、スウェーデンとノルウェーを舞台に繰り広げられる、シーズン唯一の本格ウィンターラリーという新しいチャレンジに臨む。
幅の狭いスタッドのついたタイヤは、ラリースウェーデンの戦いに不可欠なツール。凍った地面なら素晴らしいグリップを得られる一方、ドライバー達は温められたレーシングブーツと防眩効果のあるサングラスを身に付けて挑む。
白一色の林道は、WRCの中でも独特な見せ場となり、ルーズな路面に対してのセッティングはごく標準だが、氷点下の中でもマシンが最善のパフォーマンスを発揮する対策を取らなくてはならない。独特な環境から、ラリースウェーデンは63年の歴史の多くで北欧勢が強さを誇ってきた。北欧外で初めてスウェーデンを制したのは、2004年のセバスチャン・ローブ。その後も、セバスチャン・オジエしかこの偉業を達成した者はいない。
ここ5年、ポディウムの頂点に上がったのは、オジエとヤリ‐マティ・ラトバラの2人。しかし、マシンもチームも変わった今季、戦況が一変するのか注目が集まる。WRC2も強豪が集まった一方、2016年型マシンで戦うWRCトロフィーには2台がエントリー。2WDマシンのWRC3にエントリーしているのは1台のみだ。
■2017年のルート今年のルートは、昨年から60%が変更され、サービスパークは北上してノルウェーの国境に近いトルスビーに移動した。イベントは、カールスタッドのトロット競馬場で恒例のスーパーSSで開幕。金曜日はトルスビー周辺にステージが設定。その多くは、隣国ノルウェーを走行する。全く新しいステージ、Hof-Finnskogが登場。この日最後のステージはスウェーデンに戻って行われる。サービスパークでフィニッシュを迎えるこのステージは、日曜日にはパワーステージにも指定されている。土曜日は新ステージ、Knonの他、ハグフォース近郊のクラシックステージが設定。その後、再びカールスタッドのスーパーSSを走行する。日曜日の設定は2SSのみ。Likenesは、この方向で走行するのは今回が初めてだ。
FIAラリーディレクター ヤルモ・マホネン
「63年の歴史の中で、北欧外選手のウィナーが2人しか出ていないという事実からも、ラリースウェーデンが非常に特殊なイベントであることが分かる。しかし、新しいシーズンを迎えてまだ一戦。誰がアドバンテージを握るのかを語るのは不可能であり、スウェーデンはカレンダー唯一のフルウィンターラリーであるが、どのイベントにも特色がある。今後もエキサイティングな戦いが繰り広げられることを確信している。もしかしたら、予想外のバトルもあるかもしれない。そうなれば、ラリーにもファンにとっても、素晴らしいことだ」
■ラリーデータ
開催日:2017年2月9‐12日
開催エリア:スウェーデン、カールスタッド/トルスビー
総走行距離: 1415.18km
総ステージ走行距離:331.74km (SS比:23.4%)
総SS数:18
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
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