今季はアダプタ・ワールドラリーチームを結成し、プライベーターとして2017年型フォード・フィエスタWRCで参戦するマッズ・オストベルグ。初戦となったスウェーデンは、金曜日のステージのほとんどが母国ノルウェーを走行する設定だったこともあり、盛大な応援を集めた一方で、ステージ途中でリアウィングを紛失し、SNSで捜索を呼びかけるなど話題に事欠かない。
このスウェーデンでは15位に終わったオストベルグが、メキシコ欠場を表明した。理由はリアウィングをなくしたから、ではなく、ベアーテ夫人が第一子の出産を予定しているからだという。
「ずいぶん前から予定していたことなんだ。ベアーテが初めての出産を迎える時に、遠い大陸にいるようなリスクは取りたくない」とオストベルグ。「子どもの性別はすでに分かっていて、男の子。モンスと名付ける予定だ。僕の次の参戦は、4月のツール・ド・コルスになる」
今回のスウェーデンでは、ラリースタートの数日前にマシンが完成。SS3の時点ではフォード勢最上位につけ、コリンズ・クレストでは豪快なジャンプも披露していた。しかし、全てのステージを走り終えた今は、新しいマシンについて学ぶことがたくさんあると感じているという。ラリー中は、土曜日と日曜日にそれぞれセッティングを変更したが、テストとしてラリーを走るのは理想的とは言えないとオストベルグ。
「もちろん、もっと走行を重ねなくてはならないし、次のラリーの前にテストに専念することも必要だ。特に次に参戦するのはターマックだから、この点は極めて重要になる。ここまで、このマシンでのターマック走行はクリスマス前にフランスで行っただけで、数kmしか走っていない」とオストベルグ。
「スウェーデンでのスプリットを見ると、テクニカルなセクションではかなりコンペティティブになれるが、高速セクションではもっと自信を得なくてはならないし、エアロダイナミクスを最大限に活用することが必要だ。でも、ポジティブに捉えているし、新しくてとても速いWRカーでのドライビングは、文句なしに楽しいよ」
父親となり4月のツール・ド・コルスに戻ってくるオストベルグ、さらなる飛躍を期待したい。