ERC開幕戦アゾレスラリー(ポルトガル、グラベル)は4月1日、競技最終日となるレグ2の6SSが行われた。前日には2連覇王者のカエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)がリタイア、そしてこの日は代わって首位に立ったアレクセイ・ルキヤナク(フィエスタR5)も2本目のステージで石にヒットしてステアリングを破損し優勝を逃す大波乱。さらに2位につけていたリカルド・ムーラ、ニコライ・グライジン(ファビアR5)もトラブルに見舞われた結果、18ヶ月ぶりにグラベルラリーに挑んだ地元ポルトガル出身のブルーノ・マガリエス(シュコダ・ファビアR5)が逆転優勝を飾った。マガリエスのアゾレス戦制覇は通算3度目。
「全く予想していなかった。とにかく信じられない」とマガリエス。
「この機会を与えてくれたスポンサー、家族、チームのみんなに感謝している」
マガリエスは、以降の参戦活動のための資金獲得に奔走中だ。
一方、今季から28歳以下部門(4WDマシン対象)、27歳以下部門(2WDマシン対象)とレベル分けされ新しい時代を迎えたジュニアERCでも、様々なドラマが生まれた。U27では、前日まで部門トップにつけた英国出身のクリス・イングラムが、オペル・ラリージュニアチームのチームメイト、ヤリ・フッツネン(いずれもオペル・アダムR2)と激しい首位争いを展開。イングラムに6秒差で、最終21.96kmを迎えたフッツネンだったが、フィニッシュ手前200mというところで、まさかのリタイア。イングラムがU27を制した。同じくオペルのチームメイトであるタマラ・モリナーロは部門4位でフィニッシュ。オペル・ラリージュニアチームは、チームズ選手権で最多ポイントを獲得した。
U28では、ドイツのマリヤン・グリエベル(ファビアR5)がトップフィニッシュを飾った。グリエベルは、SS12では総合でのベストタイムを叩き出し、総合でも2位フィニッシュを果たすなど、R5で総合順位を争えるポテンシャルを見せつけた。
「昨年のキプロスでは、R5マシンでのデビュー戦で2位に入ったことで、既にとてもいい結果だったと思っていたが、今回はR5マシンが28台もエントリーしている中で総合2位に上がれるとは思ってもいなかった」とグリエベル。
「ERCジュニアのU28でも優勝できて、今回はほぼ完璧に近い内容だし、とにかく楽しめた。素晴らしいマシンを手にしているし、バウムシュラッガー・ラリー&レーシング、スポンサーのみなさんには心から感謝している」
アゾレスラリー 最終結果
1 B.マガリエス(シュコダ・ファビアR5) 2:37:04.3
2 M.グリエベル(シュコダ・ファビアR5) +1:34.4
3 J.モファット(フォード・フィエスタR5) +4:40.9
4 J.ロペス(プジョー208 T16) +6:05.9
5 N.グライジン(シュコダ・ファビアR5) +6:10.9
6 P.メイレレス(シュコダ・ファビアR5) +7:29.7