WRC第4戦フランス(ツール・ド・コルス)は土曜日の競技2日目を終了し、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが総合首位に立った。2番手にはMスポーツのセバスチャン・オジエ、3番手にはヒュンダイのダニ・ソルドというオーダーとなっている。
この日の拠点となるのは島の北部に位置するバスティア。2カ所のSSを2度ループするSS5〜SS8の4SSという構成だ。SS5/7は48.71kmのロングステージとなっており、この日の勝負どころと目されている。そのSS5でベストタイムを刻んだのはヌービルだった。SS2番手タイムを出したトヨタのユホ・ハンニネンを4.7秒、SS3番手のミークを8.8秒上まわり、総合タイムでミークとの差を17秒まで詰めることに成功。また、総合2番手につけるMスポーツのセバスチャン・オジエがSS4番手タイムと遅れたことで、ヌービルとオジエはわずかに0.6秒差と接近することとなった。続くSS6、ここでもヌービルはベストタイム。対照的にオジエはSS7番手タイムに沈み、あっさりと総合2番手の座を明け渡すこととなった。オジエは「フィーリングは悪くないのに遅い。原因が分からない」とコメントしており、今後に尾を引く可能性もある。一方、総合首位のミークはこのSS6でエンジントラブルを抱え、SS9番手でフィニッシュ。リザルト的には1.5秒差で総合首位を守ったものの、SS終了後にリタイアを決めた。これによりヌービルが総合首位に浮上。モンテカルロ、スウェーデンに続き今季3度目のラリーリーダーとなっている。
サービスを挟んでSS7、復調したオジエがベストタイムをたたき出すも、ヌービルもSS3番手タイムで応戦。わずか2.2秒差ながら総合首位を守り通した。このSSではトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラが2番手タイムをたたき出し、総合順位でも6番手から4番手にジャンプアップを果たした。この日最後のSS8、ヌービルはこの日3度目のベストタイム。一方のオジエは油圧系トラブルに見舞われ、SS11番手と大きくタイムロス。総合2番手の座こそ失わずにすんだものの、首位ヌービルとの差は38.9秒と大きく開いてしまった。この日すべてのステージを終えて、ヌービルとオジエの背後にはヒュンダイのダニ・ソルド、ラトバラ、シトロエンのクレイグ・ブリーン、ヒュンダイのヘイデン・パッドンが続いている。
4月9日の競技最終日はSS9とSS10の2SSのみ。しかしオープニングステージのSS9は、53.78kmという大会最長のロングステージであり、勝負の行方はまだまだ分からない。ヌービルが悲願の今季初勝利を飾るのか、あるいはオジエが待ったをかけるのか、目のはなせない展開となりそうだ。SS9は日本時間9日の15:58スタート。
WRCフランスSS8終了後暫定リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ティエリー・ヌービル | ヒュンダイi20クーペWRC | 2:44:10.2 |
2 | セバスチャン・オジエ | フォード・フィエスタWRC | +38.9 |
3 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20クーペWRC | +57.7 |
4 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | トヨタ・ヤリスWRC | +1:09.4 |
5 | クレイグ・ブリーン | シトロエンC3 WRC | +1:12.2 |
6 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20クーペWRC | +1:43.8 |
7 | アンドレアス・ミケルセン | シュコダ・ファビアR5 | +6:21.7 |
8 | ティーム・スニネン | フォード・フィエスタR5 | +7:29.6 |
9 | ステファン・サラザン | シュコダ・ファビアR5 | +7:46.8 |
10 | ヨハン・ロッセル | シトロエンDS3 R5 | +9:56.5 |