いよいよ今週の4月27-30日に開催が迫ったWRCラリーアルゼンチン。ここまでの4戦で確実にポイントを重ね、マニュファクチャラーズ選手権の首位に立っているMスポーツは、この流れを維持するため完全集中で挑む構えだ。
今季ここまで、4戦全てでポディウムフィニッシュを決めているのはMスポーツのみ。難関グラベルのアルゼンチンでも、最大限のポイント獲得を目指す。チームは4日間でフォード・フィエスタWRCをコルシカ仕様からグラベル仕様へ変更すると、その後はイースター休暇にも関わらず、ポルトガルでリサーチ&開発テストを敢行した。4連覇王者のセバスチャン・オジエは、選手権争いでも首位に立っているが、意外にもこのアルゼンチンでは、3回2位に入っているものの未だに勝利を経験していない。
「ラリーアルゼンチンは、ジュリアンと僕がまだ勝ったことのない唯一のイベント。毎年、初勝利を目指して挑んでいる」とオジエ。
「勝ちたいと思っているが、簡単にはいかない。初日は一番手で走行することは厳しい試練だし、ステージそのものもタフな性格だ。他のラリーとも、前回のグラベル戦のメキシコとも全く異なる。アルゼンチンの道はもっとソフトでサンディだが、ラフな場所もある。勝つためには速さと忍耐のバランスが求められる。ポルトガルで2日間のテストを行い、全てが正しい方向に動いているので、今週も好リザルトを目指している」
一方、コルシカでは今季初めてポイントを逃したオィット・タナック。今季からコンビを組むマルティン・ヤルベオヤはアルゼンチン初参戦となるが、シーズン序盤の好調を取り戻したいところだ。
「またグラベル戦に戻るのはいい気分だが、アルゼンチンはビッグチャレンジになる」とタナック。
「道全体を使って片側から反対側にスライドしていくような、自分の好きな高速イベントという感じではない。いつも何かしら、ヒットするものが転がっている。集中して、マージンを持ってリスクに備えておかなくてはならない。過去、アルゼンチンではあまり運に恵まれていなかったが、いまは自分が成長した手応えも感じている。テストではハンドリングの向上に努めた。マシンのフィーリングもよくなっている。好リザルトを収める現実的なチャンスがあると思っているので、全力を尽くしたい」
DMACKタイヤで参戦するエルフィン・エバンスにとっては、2015年に初めてWRC戦のポディウムに上がった思い出のイベントだ。
「アルゼンチンには特別な思い出があるし、またグラベルに戻るのを楽しみにしている」とエバンス。
「アルゼンチンはいつも楽しめているが、しっかり特性をつかんでアプローチしなくてはならない。毎日のように道の性格が変わるが、どこもミスの許される余地は非常に少ない。クリーンな走りで、ミスを最低限に抑えなくてはならない」