2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリーアルゼンチンの最終日となるデイ4の競技が、4月30日(日)にアルゼンチンのカルロス・パスを中心に行われた。TOYOTA GAZOO Racing WRTの、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は総合5位、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC #11号車)は総合7位でフィニッシュし、苛酷なグラベルラリーで2台揃っての完走を果たした。
ラリーアルゼンチンのデイ4は、サービスパークのあるカルロス・パスの西側エリアで3本のSSが行われた。SSの合計距離は55.28kmと短いが、SS16とそのリピートステージであるSS18「エル・コンドル‐コピナ」は、全体的に路面が荒れており、外気温もかなり上昇。前日に続き、クルマと選手にとって厳しい走行条件となった。しかしヤリスWRCは終始安定したパフォーマンスを発揮し、ラトバラ、ハンニネンの両ドライバーは大きなトラブルなく3本のSSを走行。デイ3での順位を堅持してラリーをフィニッシュし、2台揃っての完走とポイントを獲得した。ラトバラは最終SS18のパワーステージでも5番手タイムを記録して1点を獲得、ドライバーズランキング2位を堅守した。トミ・マキネン(チーム代表)
「非常に困難な条件下で行われた今回のラリーアルゼンチンは、我々に厳しい課題を突きつけましたが、そこから多くを学習しました。この数日間のチャレンジはとても有益でした。ふたりのドライバーは、いくつかのトラブルに直面しアンラッキーな面もありましたが、素晴らしい仕事をしました。もしトラブルがなければさらに上の順位でフィニッシュしていたかもしれませんが、手にした結果を喜ぶべきでしょう。今回のラリーでは柔らかいグラベルと荒れた路面という、ここでしか経験できないようなコンディションを体験し、情報と知識の量をさらに増やすことができて満足しています。そして、ヤリスWRCが基本的にとても強いクルマであることが分かりました」
「ラリー最終日は安定した1日でした。スーパーヒーローになろうとは思わず、ただ安全にラリーを走り終えることを優先しました。我々のヤリスWRCはとても頑強で、前回のグラベルイベントであるラリーメキシコを走った時と比べると、パフォーマンスも上がっていました。今日は総合5位でフィニッシュし、パワーステージでは1ポイントを獲得しました。しかし、大切なのは開幕戦のラリーモンテカルロから安定した走りを続け、選手権で良い位置につけているということです。自分のキャリアにおいて、開幕から5戦が終了した時点で選手権リーダーにこれほど近い位置にいた記憶はありません。次のテスト、次のラリーが今からとても楽しみですし、クルマをさらに改善したいと思っています」 ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
「どうしても完走したかったので、ノートラブルで最終日を戦えて良かったです。私の前と後ろの選手とはタイム差が大きく開いていたので、リスクを冒さずとにかく注意して走りました。エル・コンドルのステージは自分の予想よりも荒れていたので、クルマを無傷でゴールに運ぶことだけを考えて走りました。全体的に今回のラリーは荒れた道が多く、非常にタフで厳しいラリーでした。しかし、我々は完走という目標を達成し、ポイントを獲得し、そして多くを学べたことにとても満足しています」
TOYOTA GAZOO Racing WRTにとっての次戦は、5月18日から21日にかけて開催される第6戦ラリーポルトガル。より多くのデータ収集を目的として、エサペッカ・ラッピが3台目のヤリスWRCで出走する。
WRCアルゼンチン最終リザルト
順位 | ドライバー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|
1 | ティエリー・ヌービル | ヒュンダイi20クーペWRC | 3:38:10.6 |
2 | エルフィン・エバンス | フォード・フィエスタWRC | +0.7 |
3 | オット・タナク | フォード・フィエスタWRC | +29.9 |
4 | セバスチャン・オジエ | フォード・フィエスタWRC | +1:24.7 |
5 | ヤリ‐マティ・ラトバラ | トヨタ・ヤリスWRC | +1:48.1 |
6 | ヘイデン・パッドン | ヒュンダイi20クーペWRC | +7:42.7 |
7 | ユホ・ハンニネン | トヨタ・ヤリスWRC | +11:16.9 |
8 | ダニ・ソルド | ヒュンダイi20クーペWRC | +14:44.1 |
9 | マッズ・オストベルグ | フォード・フィエスタWRC | +15:11.3 |
10 | ポンタス・ティデマンド | シュコダ・ファビアR5 | +17:32.1 |
チームは最終日の短編ハイライト動画を公開している。