ERC第11戦ラリーサンレモ(ターマック)は10月12日、イタリア北部のリグリアでフィニッシュを迎え、ERCで過去2回タイトルを獲得しているジャンドメニコ・バッソ(プジョー207 S2000)が逆転勝利を飾った。
この日設定されたのは6SS。残り1本という時点で7秒のリードを握っていたのは、ブライアン・ブフィエ(プジョー207 S2000)だった。しかし最終SSでそのブフィエがパンクに見舞われ後退。バッソが同イベント3回目となる勝利を逆転で飾った。
「すごく、すごくうれしいよ」とバッソ。「優勝を目指してスタートしたけど、フィーリングがつかめず一時は不可能かとも思っていた。でもサービスでダンパーを調整したら、タイヤの動きもよくなった。SS8でベストタイムをマークした時、勝てるかもしれないと思ったよ」バッソが履くミシュランも、今回、ハードコンパウンドの新タイヤ、パイロット・スポーツR30を実戦で初投入していた。
2位には、フィンランドの新鋭、エサペッカ・ラッピ(シュコダ・ファビアS2000)が食い込み、プジョー勢の上位独占を阻んだ。アレッサンドロ・ペリコ(プジョー207 S2000)と激しい3位争いを展開していたラッピは最終ステージで「死ぬほどプッシュした」と奮闘。パンクしたブフィエがタイヤ交換で1分以上をロスしたため、初参戦のサンレモ、自身6度目の舗装ラリーで、最終的に2位でのフィニッシュを飾った。
初日首位に立っていたパオロ・アンドレウッチ(プジョー207 S2000)は、この日3本目のSSで、想定外のトラブルに見舞われた。「このSSをスタートする前に、タイヤが1本、圧が下がっていることに気づいたので、交換したのだけれどこのタイヤがすり減っていたんだ。それで4kmほど走ったスリッパリーなセクションで、タイヤが減り切った。リヤを何かにヒットしたので、左リヤタイヤを交換しなくてはならなくなった。もちろん誰でもミスはするけど、こんなくだらないミスはもう思い出したくないよ」
一方、プロダクションカップタイトル獲りがかかるアンドレアス・アイグナー(スバル・インプレッサWRX STI R4)は、カップ2位でのフィニッシュを決め、最終戦を待たずにタイトルを確定させた。
「本当にハッピーだよ」とアイグナー。「今週のラリーは厳しい戦いになるとは思っていたが、予想以上だった。マシンは完璧だったし、新しいパターンで初めての実戦を迎えたヨコハマの新舗装タイヤも、本当にいい動きをしてくれた」
同じく、FIAの新規定に合わせて新たに開発されたヨコハマの新舗装タイヤで初めての競技参戦に挑んだ新井敏弘は、アイグナーに続いてカップ3位でのフィニッシュを果たしている。