予想以上のラフロードに多くのWRカー勢が苦しめられたWRC第6戦ポルトガルの競技2日目は、TOYOTA GAZOO Racingチャレンジプログラムで今季2回目のWRCに臨んだ勝田貴元、新井大輝のふたりにとっても試練の1日となった。
新井はこの日のオープニングとなるSS2から、いきなりエンジンが不調になるトラブルを抱える。
「ずっとロードセクションモードでアンチラグも効かなくて、全然パワーが出ませんでした」という状態で我慢の走りを余儀なくされる。さらにSS3では左フロントをパンクさせてホイールを割り、交換に手間取り大きくタイムロス。SS4を終え、首位から14分以上も遅れを取るWRC2最下位に沈んだ。
「車載画像をチェックしてもらったんですけど、どこにも当たっていません。フィニッシュまで5kmという地点の左コーナーで、フロントタイヤが突然反対の方向を向いてしまった。まさかという感じで、ただただ悔しいです。今回はパンクも含めたメカニカルトラブルを出さないような走りをすることが目標だったので、岩や石の多いところではなるべくペースを落としながら走っていたのですが、止まってしまいました。道が荒れる2ループ目を経験したかったので残念です」
勝田は明日のデイ3からスーパーラリーでの出走に回る。
ひとり残された新井は、午後のセクションに向けエンジントラブルの原因と思われたFIA指定のポップオフバルブを交換して臨んだものの、すぐに症状が再発。さらに、荒れに荒れた路面に午前中と同じセッティングのダンパーがまったく合わず、「振動がひどすぎて路面を目で追えず、(コ・ドライバーの)グレンもペースノートがまともに読めませんでした。おかげでパンクしたりアームを曲げたりしてしまいました。今日は最初から最後までクリーンに走れたところは1カ所もなかったですね」とがっかり。
金曜日は結局WRC2部門15位となり、「エンジン不調は何が原因か、これからまた確認しないと。上位と1kmあたり1秒は違うので」と、明日の“全快”に期待をかけることになった。
トミ・マキネン・レーシングはFacebookでハイライト動画を公開している。