ラリーオーストラリアでは、タイトル確定目前に迫っていたセバスチャン・オジエ。選手権2位のティエリー・ヌービルをブロックしていた状態のミッコ・ヒルボネンが最終SSでまさかのパンクに見舞われ、土壇場でオジエのタイトル確定も持ち越しとなる衝撃の結末を迎えていた。
しかし、選手権で大量差をつけタイトルをほぼ手中に収めたオジエは、母国で開催される次戦フランス戦では、WRCの絶対王者、セバスチャン・ローブと対決できるチャンスが待っている。最後のWRC参戦と見られるローブとのバトルに向け、チームからは全開走行OKが伝えられた。
オーストラリアでは、ヤリ-マティ・ラトバラが4位、アンドレアス・ミケルセンが6位に入ったフォルクスワーゲンは、マニュファクチャラーズ選手権でシトロエンとのリードを48ポイントに広げている。このためチーム代表のヨースト・カピートは、喜んでオジエがフランスで思い通りに走ることを許可したという。
「マニュファクチャラーズ選手権では大差をつけているし、オジエもタイトルは確実。何より彼の母国だ」とカピート。「オジエには、フランスで真剣勝負に挑んでもらって構わない。チームも惜しみなく支援をする。選手権での差がもっと小さければ厳しい選択も迫らなくてはならなかったかもしれないが、今となっては何の問題もない。私も喜んでOKを出すよ」
現在、選手権2位につけるヌービルとの差が83ポイントにまで広がったオジエは、フランス戦を10位以上でフィニッシュすればタイトルが決まる。
「思い切り勝負していいと言ってもらえて、もちろんうれしいよ」とオジエ。「ダニ(ソルド)やティエリーは舗装でも速いし、もちろんローブも参戦してくるから、面白い争いになりそうだ。母国でのラリーと、フランスのファンに会えることを楽しみにしている。ラリーに勝ってタイトルを決めたい」