ERC第3戦アクロポリスラリーは6月3日、ラミア周辺でレグ1の走行が行われ、ナッサー・アル‐アティヤ(フォード・フィエスタR5)がトップに立った。
この日は序盤、19歳の若手、ニコライ・グライジンがリードに立ち、11秒のギャップを築いて最終SSを迎えようとしていたが、リエゾンでマシンから出火。グライジンとコ・ドライバーのヤロスラフ・フェデロフにケガはなかったが、スポーツレーシングテクノロジーズが製作したファビアR5は全焼し、ここでラリーリタイアとなった。「何が起きたのか分からない」と困惑を見せるグライジンは、通常はERCジュニアのU28部門に参戦している。このアクロポリスは、ERCジュニアは選手権外イベントのため、今戦はメイン部門に挑んでいる中でのリードだった。
「通常どおりにリエゾンを走行したが、あるコーナーで、マシンのリヤがスライドした。出火したのはマシンの下部だ。たぶん、燃料タンクだろう。火を止めようとしたが、不可能だった。全力で助けてくれようとしてくれたみんなに感謝している」
一方、アル‐アティヤは、日曜日に設定されるステージがハードタイヤ向きであることから、この日はタイヤマネジメントに専念し、できるだけタイヤをセーブするためにハードとソフトのコンパウンドを巧みに使い分けることに重点を置いた。
「首位に立てたことはよかったが、グライジンのことは残念だ」とアル‐アティヤは、災難に見舞われた若手を気づかった。
「僕らは、午前に比べればタイムがよくなったが、明日も油断はできない」
「セットアップとペースノートがかなり向上したし、明日のためにタイヤもセーブした」と意欲を見せる。
「この順位は予想していなかった。今の段階では、ポイントの面ではいい状況。夢のようだよ」
昨年チャンピオンのカエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)は、この日設定された6SSのうち3本でベストタイムを刻み、今季初優勝に向けて意欲的に攻めていた。百戦錬磨のアル‐アティヤに対し現状の29.5秒差で迎えるレグ2は、会心の走りで攻める必要がありそうだ。
「ブレーキとタイヤに厳しいラリー。すべてが熱くなっている。でもラリーを楽しめているし、明日はプッシュする」とカエタノビッチ。
ERC2は、ティボール・エルディとセルゲイ・レメンニクがともにトラブルに見舞われるなか、ゼリンド・メレガリ(三菱ランサーエボリューションIX)がトップ。ERC3は、トルコのユミキャン・オゼミール(フォード・フィエスタR2T)が首位に立った。
レグ2は3SSを2ループする6SS、126.68kmが設定される。
ERCアクロポリス レグ1結果
1 N.アル‐アティヤ(フォード・フィエスタR5) 1:20:31.9
2 B.マガラエス(シュコダ・ファビアR5) +8.4
3 K.カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5) +29.5
4 S.ソラキディス(シュコダ・ファビアR5) +1:02.2
5 M.ボスタンキ(フォード・フィエスタR5) +2:26.7
6 G.グジプ(シュコダ・ファビアR5) +2:44.8