WRC第10戦オーストラリアは2日目の競技を終えて、フォルクスワーゲンのセバスチャン・オジエが首位に立っている。
本格的なグラベルステージのスタートとなったこの日はSS3本を2回ループ、そして1.6kmのスーパーSSを2度走行する計8SSが設定されている。
オープニングとなるSS3で飛び出したのはオジエ。8.44kmのSSでステージ2番手のミッコ・ヒルボネン(シトロエン)に2.9秒差、ステージ3番手のクリス・ミーク(シトロエン)に4.5秒差をつけて悠々のトップに立った。前日首位のアンドレアス・ミケルセン(フォルクスワーゲン)は滑りやすい路面に足をとられて5番手タイムとなり、あえなく陥落。チームメイトのヤリ‐マティ・ラトバラもスピンを喫して7番手にドロップするなど、ラリー序盤から入れ替わりの激しいラリーとなった。
午前中のステージを終えた段階で、ミーク、ヒルボネン、ヌービル、マッズ・オストベルグというオーダー。2番手の座をかけたヒルボネンとミークのシーソーゲームが激化しており、その差は0.2秒。シトロエン同士の手に汗握るバトルは過熱の一途を辿っている。
午後のステージでは早々にヒルボネンがミークを逆転、SS8を終えた段階で7.5秒の差を築き総合2番手の座を固めつつある。そしてミークの背後にはヌービルが7秒差で迫っていた。残すところは1.6kmのスーパーSSだが、ここでドラマが起きた。
最終SSとなるSS10でミークはストール。SSトップタイムのラトバラから10秒遅れの12番手タイムとなってしまい、総合タイムでヒルボネンと18.6秒差になったばかりか、ヌービルにも逆転されて4番手に転落してしまった。しかし、ふたりの差は0.5秒とわずかなもの。3日目の焦点は、前戦ドイツで速さを見せたヌービルと、来季のラインナップに食い込みたいミークのぶつかり合いとなりそうだ。
トップを行くオジエはSS10以外の7SSでトップタイムを獲得。ヒルボネンに20秒の差をつけて3日目に臨む。競技3日目はイベント最長となる49.90kmのステージを含む2SSを2回、1.6kmのスーパーSSを2回走行する計6SSとなっている。
【SS10後暫定総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン) 58:46.6
2:M.ヒルボネン(シトロエン) +20.0
3:T.ヌービル(フォード) +38.1
4:K.ミーク(シトロエン) +38.6
5:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン) +58.2
6:M.オストベルグ(フォード) +1:01.7