WRCイタリア：ヤリスWRC勢は着実な滑り出し

6月8日（木）、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリーイタリア・サルディニアが、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島北西部、アルゲーロで開幕。競技初日は、ショートのスーパーSS1本がアルゲーロ近くのイッティリで行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラが総合11番手、WRカーでの2度目の参戦に挑むエサペッカ・ラッピが総合12番手、ユホ・ハンニネンが総合13番手につけた。

開幕ステージは、大勢の観客が見守る中、全長2kmのスーパーSSで華やかにスタートした。コースはグラベル（未舗装路）とターマック（舗装路）のミックス路面で、途中にウォータースプラッシュ（川渡り）も設けられた。ラリーカーの通過で水があふれてコースが滑りやすい状態となり、ショートステージでありながらも油断は許されないトリッキーなステージとなった。ヤリスWRC勢のドライバーたちはは、いずれも着実にスーパーSSを走行。その後、パルクフェルメが置かれた島北東部のオルビアへと向かった。

トム・フォウラー（チーフ・エンジニア）
「サルディニア島でのテストは、イベントの直前ではなく、少し前の時期に行なったので、シェイクダウンでは通常よりも多く走行した。前戦のラリーポルトガルではクルマの進化が確認できたので、今回は主にサスペンションに関してさらに改良を施してラリーに臨む。このスーパーSSは距離が短いため、リスクを冒さず走り切ることを重視した。ラリーの本当のスタートは明日。サルディニア島の典型的なSSと言えるツイスティで低速なステージは、トリッキーな場所も多いので、十分に注意して走る必要がある」

ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
「シェイクダウンでのクルマのフィーリングは、よかったと思う。しかし、ラリーは明日からが本番。3番手という明日のスタート順は、このラリーで勝つためには少々不利なので、表彰台に立てれば上出来だろう。スーパーSSは、自分としてはいい走りだったと思ったが、タイムはあまりよくなかった。とはいえ、すごく距離が短いステージなので問題はない」

ユホ・ハンニネン (ヤリスWRC 11号車)
「レッキ、シェイクダウンとすべて順調に進み、ラリーに向けてうまくプリペアできた。スーパーSSでは、ウォータースプラッシュ後のコーナーが非常に滑りやすくなっていたので、スライドしてクルマのサイドをヒットしてしまった。幸い、大きなダメージはなかった」

エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC 12号車)
「自分の役目はマシンのデータを収集することだと理解しているので、集中して戦いに臨む。いずれにせよ、このラリーでは注意深く走ることが重要だ。スーパーSSはショーとしては素晴らしいステージだったが、路面がとても滑りやすく、かなりドリフトしてしまった。明日からのSSに関しては、とにかく冷静さを保つことが大切。リスクを冒すよりも、少し抑えて走ったほうが、いい結果を得られると思う」

競技2日目となる6月9日（金）のデイ2は、サルディニア島北東部の都市オルビアを基点に、島の北部で8本のSSが行われる。SS2、3、4、5と、その再走ステージであるSS6、7、8、9はいずれもグラベル（未舗装路）が中心のSS。8本のSSの合計距離は125.46km、リエゾン（移動区間）も含めた総走行距離は583.92kmとなっている。

WRCイタリアSS1終了後暫定リザルト
1 ティエリー・ヌービル（ヒュンダイi20クーペWRC） 2:01.8
2 オィット・タナック（フォード・フィエスタ WRC） +0.2
3 ダニ・ソルド（ヒュンダイi20クーペWRC） +0.4
4 エルフィン・エバンス（フォード・フィエスタ WRC） +0.5
5 ヘイデン・パッドン（ヒュンダイi20クーペWRC） +0.9
5＝ セバスチャン・オジエ（フォード・フィエスタWRC） +0.9
7 マッズ・オストベルグ（フォード・フィエスタWRC） +1.0
8 アンドレアス・ミケルセン（シトロエンC3 WRC） +1.1
9 クリス・ミーク（シトロエンC3 WRC） +1.2
10 クレイグ・ブリーン（シトロエンC3 WRC） +1.6
11 ヤリ-マティ・ラトバラ（トヨタ・ヤリスWRC） +1.8
12 エサペッカ・ラッピ（トヨタ・ヤリスWRC） 2.0
13 ユホ・ハンニネン（トヨタ・ヤリスWRC） +3.7

チームはFacebookでデイ1ハイライト動画を公開している。