WRC第7戦サルディニアは6月10日、競技3日目を終えて、クラッシュを喫した前日首位ヘイデン・パッドンに替わり、オィット・タナックが総合首位に浮上。24.3秒差でヤリ‐マティ・ラトバラが追っている。
この日は、SS10〜SS15まで、計6SS・143.16kmのステージが設定。ステージ走行距離の合計は125.46kmだった。
パッドンは午前中はリードを守り切り、タナックに対して10秒のアドバンテージを維持して日中サービスに戻ってきた。しかし、午後最初のステージでバンクに引っかけ、右リアを破損。ゆがんだホイールアーチを引きずるようにこのステージをフィニッシュしたが、ここでリタイアとなった。「アマチュア級のミスだ」と反省しきりのパッドン。「ターンに入るのが早過ぎて、イン側のバンクに引っかけた。みんなをガッカリさせてしまった」
ここで首位に上がったのがタナック。フォード・フィエスタのバランスを向上させるために、石だらけのステージにスペア1本積みという賭けに出たことが功を奏し、午前と午後に1本ずつステージウィンを決めた。
「午後は、驚くほどよかった」とタナック。「少し差が開いてドライブしやすくなったが、ここからもっとプッシュできる。明日、ラトバラの方が自分よりも速いはずなんて理由は、どこにも見当たらない」
ティエリー・ヌービルは、ラトバラから37.9秒遅れの3番手。この日はパッドンに続く2番手につけていたが、午前最後のステージでブレーキにトラブルを抱え、1分近くのロスを喫した。
大健闘を続けているのは、エサペッカ・ラッピ。WRカーでの2度目の参戦で、この日は順位を4番手まで上げてきた。ブレーキのトラブルに悩まされてはいたが、この日最後のステージで、スピンとパワーステアリングのトラブルに見舞われたチームメイトのユホ・ハンニネンをかわした。トヨタ勢は、3台が揃ってトップ5に食い込んでいる。
セバスチャン・オジエは、パンクによるタイヤ交換のために2分をロス。首位から3分半近く遅れての6番手にとどまっている。
競技最終日となるデイ4は、ラリー本拠地のアルゲーロ周辺に設定される2本のグラベルステージを2ループする計4SS・42.04kmで構成。ボーナスポイントが与えられる最終SS19のパワーステージは、6.96kmとなっている。24.3秒差でこの最終日を迎える、WRC初優勝が待たれるタナックとヤリスWRCの2勝目を狙うラトバラの優勝争いに、注目が集まる。オープニングのSS16は日本時間11日(日)14:30にスタートする。
WRCイタリアSS15終了後暫定リザルト
1 オィット・タナック(フォード・フィエスタ WRC) 2:56:37.3
2 ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +24.3
3 ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:02.2
4 エサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC) +2:10.8
5 ユホ・ハンニネン(トヨタ・ヤリスWRC) +2:42.1
6 セバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC) +3:26.1
7 マッズ・オストベルグ(フォード・フィエスタWRC) +3:56.0
8 アンドレアス・ミケルセン(シトロエンC3 WRC) +7:47.6
9 ヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアR5) +9:52.9
10 エリック・カミリ(フォード・フィエスタR5) ++9:53.8