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WRCイタリア:タナック「シーズン末には面白いことになるかもね」

©Red Bull

WRCイタリアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。2004年のマルコ・マルティン以来となるエストニア人のWRC勝利を自身初勝利で飾ったオィット・タナック。自分にもマシンにもチームにも強さを感じていると語り、みなぎる自信を隠さなかった。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:オィット・タナック=OT(MスポーツWRT)
1位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(MスポーツWRT)
2位:ヤリ‐マティ・ラトバラ=J-ML(トヨタガズーレーシングWRT)
2位:ミーカ・アンティラ=MA(トヨタガズーレーシングWRT)
3位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
3位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・モータースポーツ)

M-SPORT

Q:エストニアのドライバーがポディウムの頂点に上がるのは、2004年以来だ。2017年の今、初めてWRC勝利を飾った気分は。
OT:もちろん、いい気分だ。みんなが気分はどうかと聞いてくるが、正直に言うと、フィニッシュラインを超えた時は、あまり感情はなかった。大変だったし、必死でがんばったし、長いステージもあったので簡単な仕事ではなかった。気分としては、仕事をやり遂げたという感じ。すごくホッとしたし、チームのためにもうれしい。ご覧の通り僕らは今でもプライベートチームだが、選手権ではこんなにポディウムフィニッシュや勝利を収めている。今、とても強さを感じている。

Q:これで選手権3位に浮上した。
OT:悪くない。パワーステージで、何とかボーナスポイントを獲得したかった。そうしないとポーランドを4番手からスタートすることになるかもしれなかったので、厳しい走りを強いられる。それでも、今季の始めからやっているようにプッシュは続けていく。なかなかいい仕事ができているし、一貫性があり常にポイントを重ねている。このペースをキープすることが重要だし、シーズンの終わりにはかなり面白いことになるかもしれない。

Q:今朝はミスもあったようだが、プレッシャーによるものか、それともダストか。
OT:僕がミスするのを目撃するのは、貴重だね(笑)! ジャンクションを見逃したような感じで直進してしまったのと、ステージの序盤にダストが入り込んでひどいことになり、かなり気が散った。どうしてそんなことが起きたのか理解に苦しむが、車内の視界がものすごく悪くなりタイムもロスした。でも、その後は完全集中してプッシュを続け、次のステージの後はコントロールできるようになり、それ以上のドラマはなかった。

Q:2004年にエストニア人としてポディウムに上がったのは、マルコ・マルティンだった。勝利が決まった時、何と声をかけてくれたか。
OT:特に何も…おめでとうかな! マルコはそういう人なんだ。明日、空港まで出迎えに来ると言っていたが、床屋にも行かなくてはならないので、忙しいみたいだよ!

Q:マルティン、今季からオットの助手席に乗るようになり、WRカーでの初ラリーがモンテカルロだった。そして今、ポディウムの頂点に立っている。どのイベントも大変な試練だし、今回は本当にビッグチャレンジだった。今の気分は。
MJ:オットと同じだ。この週末はすごくタフで、朝は早起きしなくてはならず、寝るのは遅い時間になるので、今は疲労困ぱい。でも、心の中では最高の気分だよ。いい週末だった。

Q:午前中はどんな気分だったか。特に、今日最初のステージはあまり計画通りには進まなかった。不安はあったか。
MJ:特にストレスは感じなかった。ミスはしたが、その後は通常通りの流れを維持していた。

TOYOTA / @World

Q:ヤリ‐マティ、今回は2位だった。オットはパワーステージでもっとポイントを獲得したかったようだが、両者の差はわずか1ポイントなのでは。
J-ML:そう、たった1ポイント。僕らはいま、選手権4位につけている。この週末、一番重要なのは、首位につけているオジエとの差を詰めることだった。パワーステージではハードに攻めてとてもうまくいったが、すごくナローな左コーナーで轍が本当に深くなっていた。昨年も苦労したことを覚えていたので、今年は違うアプローチで試したがうまく行かなかった。スピードが落ち、ほとんどスタックした状態になり、ブッシュに向かって貴重なタイムをロスした。ここで、ポイントを取りこぼした。もっとポイントを獲りたかったけれどね。

Q:とても悔しそうなヤリ‐マティを目にしたが、選手権のことを考えれば、それだけ感情的になるほど重要なことだった。
J-ML:選手権イベントに170回出ているし、17歳の時からタイトルを獲ることが夢だった。もう長年挑み続けているのに、まだ一度もタイトルを獲れていないので、ストレスもたまり始める。今は、違う形でストレスを感じるようになった。若い時は次の年もあると思っていたが、自分ももうすぐ40歳になるので、いつまでも次もあるとは考えられないからね。

Q:次はポーランドだが、今回トヨタは非常にいい内容だった。ポーランドでは優勝を狙えると思うか。
J-ML:ポルトガルの前に、とても重要なステップを踏んだ。メキシコやアルゼンチンではコンペティティブではなく、他の部分について色々なことを理解したので、今回マシンが本当にコンペティティブになった。チーム全体が、とてもポジティブになっている。ラッピはとてもいい走りをしていたし、ハンニネンもパワーステアリングのトラブルが発生するまでとてもよかった。しかし、僕らは一つ問題を起こしてしまい、土曜日のインタビューで救済タイムが得られないなら走るのを止めると言ってしまった。救済は得られなかったし、自分の言葉には責任を持ちたい。でも、いま自分が置かれている状況は、シーズンの中盤を迎えて、4位につけていると言っても、選手権リーダーとの差がなかなか詰め切れないでいる。いい兆しが見えている時に、本当に止めたりはしない。自分の言葉に対しては謝りたいが、このスポーツにはいろいろな感情が入り組むし、自分は本当に成功を収めたいと思っていることを分かって欲しい。だから、ストレスがたまっていたんだ。申し訳なかった。

Q:きみが走り続けてくれるなら、とてもうれしいよ! ミーカ、選手権争いの面ではいい争いだし、今は1ポイントが大きな意味を持つ。
MA:選手権がこんなに接戦になっているのは、本当に久しぶり。どのマシンもポテンシャルがあるし、それぞれ優勝を収めている。7戦で5人のウィナーが誕生したことはこれまでなかったんじゃないかな。選手権にとって、本当にいいことだ。今日はパワーステージポイントを取りこぼし、ポーランドでは4番手からのスタート順となってしまうが、悪くはないよ。

Q:ヤリ‐マティ・ラトバラは、少し動揺した時にストレスを感じていたと言っていたが、この週末はどのように彼を落ち着かせたのか。
MA:もし記憶が正しければ、トラブルを抱えたのは他のクルーたちで、僕らは今回はほぼトラブルなしだった。オストベルグのダストの後ろを走ったステージではタイムをロスしてそれを救済してもらいたかったのだが、今回のラリーは1日がとても長いので、本当に疲れ切っていた。今日の朝、サービスエリアを出発した時、雰囲気はとても落ち着いていた。僕らの結果がよかったのでみんな盛り上がってくれているが、毎晩8時間寝かせてもらえたらもっと幸せだったね!

Hyundai Motorsport GmbH

Q:ティエリー、今回は3位だった。まだブレーキの問題に悩まされているが、選手権争いではセバスチャン・オジエよりも上位でフィニッシュした。かなり重要なことだ。
TN:問題については少し残念だが、同時に自分の一番の目標は、今回オジエよりも上でフィニッシュすることだった。ポディウムを目指していたし、それは果たせた。このことには満足しているが、もっと優勝争いに絡めてもよかった。ラトバラと競っていたし、その時はヘイデンも絡んでいた。しかし、トラブルが起こる時もあることも受け入れなくてはならない。だから、今は次のラリーを楽しみにしているし、また同じようなリザルトを収めたいね。

Q:ブレーキトラブル以外では、今回はマシンはどうだったか。
TN:全体としては、素晴らしい週末だったと思う。初日は、とても強く戦えた。今回、ラリー前に初日はいつも以上にリスクを負わなくてはならないと自分に言い聞かせていたし、実際そうしたが、すごくハードにプッシュしていても4輪をしっかり地につけていたし、一つ小さなミスがあって5秒をロスしたが、初日は本当に素晴らしい走りができた手応えがあった。オジエとの差を30秒以上も広げられたからね。その後、流れは少し狂ってしまったが、プッシュを続け、モチベーションを持ち続け、チームもキッチリ直してくれたので、終わってみれば笑顔で家に帰ることができると思うよ。

Q:ニコラ、おめでとう。ティエリーも言ったように、オジエの上でフィニッシュするのが重要だった。目標が達成した今の気分は。
NG:とてもポジティブな週末だった。ティエリーのドライビングはアメージングだった。特に金曜日だ。しっかり目標を定めて集中し、あの日を終えて9位から2位に上がったのは、信じられなかった。2日目の走行順を考えれば、初日に最高にいい走りをすることは、間違いなく肝になる。テクニカル面では、これもゲームの一部だということは理解しているが、目標には到達したので満足していい。

M-SPORT

Q:マルコム、初めてのWRC優勝は本当に特別なものだ。オットは今日、それを果たし、Mスポーツでは涙も見られたようだ。あなたも情の深い人だから、彼はあまり感情を出さないタイプだが、フィニッシュラインを超えて優勝を決めた時は、自分などんな気分だったか。
MW:ご想像通り、いろいろな感情が込み上げたよ。彼とは長い付き合いだし、たくさんの浮き沈みがあったので、素晴らしい気分だ。彼らのようなドライバーが、ドライビング面だけでなく成長して、進化していくのを見ていくのは、本当に素晴らしい。オットが速いことはみんな分かっていたし、この18ヶ月、彼は進化を続け、去年は大きなステップを踏んだ。セバスチャンがチームに加わったことでみんな、ドライバー、コ・ドライバー、チームが変わると確信していた。

Q:今季はとても順調な滑り出しで、シーズンの折り返しを迎えて、オジエがポディウムの頂点に上がり、そしてオットもポディウムの頂点を経験して選手権順位を上げた。彼のタイトルチャンスについて、どう考えるか。
MW:WRCシーズンのこの時点で、素晴らしい。4人のドライバーが、現実的に選手権タイトルのチャンスを握っている。しかし、鍵になる要素は信頼性になると、強く考えている。どのチームも小さなトラブルがあるが、大きな問題はない。信頼性こそが、タイトルの決め手になると思う。

Q:昨日、ヤリ‐マティ・ラトバラがミート・ザ・クルーで話していたが、何年も前、ラトバラが初めて勝った時、彼にルーフの上でジャンプをしてもいいが、とても高価だから2回目は困る、と言ったそうだが、オットについてもそれは有効か?
MW:あれ以来、そのための予算を確保するようにしているよ!



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