フィンランドASNのプロモーション担当でWRCフィンランドの主催も務めるAKKスポーツは、「フューチャー・ラリースター・オブ・フィンランド」に若手の成長株、エミル・リンドホルムを選出した。リンドホルムには特典として、7月27−30日に開催されるWRCフィンランド戦に、資金フルサポートによるフォード・フィエスタR2での参戦権が贈られる。
25歳以下限定のこの選抜では5人のファイナリストが残り、フィンランドラリー選手権の前半でパフォーマンスを審査されていた。選抜対象資格を維持するためには、SM3クラスでトップ5に食い込むことが条件とされた。
そして今週、最終選考がフィンランド南部のビエルマキで2日間に渡って行われ、レッキやペースノート作成のスキル、メンタルの強さ、体力、メディア対応などが審査され、リンドホルムが選ばれた。選考委員は、ヤニ・バックマン(ラリーフィンランド・プロモーター)、フィル・ショート(ジュニアWRCスーパーバイザー)、カイ・タルキアイネン(ラリーフィンランド・クラークオブザコース)、ヤリ・ケトマー(ラリーコーチ)、テロ・プースティネン(フィジカルトレーナー)、ミッコ・マルックラ(レッキ・スーパーバイザー)、マッティ・ヤアッコラ(スポーツフィジコロジスト)。
元プジョーのワークスドライバー、セバスチャン・リンドホルムを父に持ち、WRCタイトルを2回獲得しているマーカス・グロンホルムはその父の従兄弟に当たるなど、ラリー家系に生まれたエミルは現在20歳。ラリーだけでなくフィンランドでポルシェGT3カップやアウディ・スポーツTTカップなどのレースにも参戦経験があり、今季はドイツのGTマスターズシリーズに挑んでいる。ラリーはフィンランド選手権の他、ドイツのオペル・ラリーカップで経験を積んできた。
WRCフィンランドには、2013年にフォード・フィエスタSTで初参戦を経験しているが、この時は前年に国内のラリースプリント(若手に向けに創設された入門カテゴリー)でラリー参戦を開始したばかりだった。
「今年は有力候補だとは言われていなかったので、とてもうれしいし、すごく驚いた」と、リンドホルムJr.はコメント。
「これまでにこの賞を受賞した顔ぶれを考えれば、本当に光栄。彼らはみんな、素晴らしい成果を残している。自分も、その後を追えるようになりたい。物心がついた頃から運転はしていたけど、今回のことは間違いなく一番大きな思い出になるよ」
これまで同賞を受賞したドライバーには、現在WRC2部門で選手権2位と活躍しているティーム・スニネン(2014年)、ERCジュニアに参戦中のヤリ・フッツネン(2015年)がいる。昨年の受賞者は、ユーソ・ノルドグレン。
リンドホルムは、特典によるWRCフィンランド参戦に先駆けて、6月29日に開幕するWRCポーランドでは初めてジュニアWRCに参戦することが決まっている。
「ポーランド戦は、ラリーフィンランドに向けていいテスト経験にしたいと思っている」と語るリンドホルム。コ・ドライバーは、トニ・ガルデマイスターのコ・ドライバーとしてWRCワークス参戦経験を持つトミ・ツオミネンが務める。
「フィンランドでは完走あるのみ。それ以上の期待は持ちたくない。でも、ベストタイムをマークすることができたら、素晴らしいとも思う。最高のチャンスだと思うので、最大限に活かしたい。まだ、やっと実感し始めたところだけれどね!」