ロシアのモスクワをスタートしたシルクウェイラリーは7月22日、ユーラシア大陸を1万km横断した末に、中国の西安でフィニッシュを迎えた。荒天のために競技走行がキャンセルとなったこの日、クルー陣はアシスタンス・ルートを走行して西安に到着。セレモニアルフィニッシュでは、チーム・プジョー・トタルのシリル・デプレ(プジョー3008DKR)の総合優勝が正式に決まった。デプレにとっては、2年連続でのシルクウェイラリー優勝となる。
「素晴らしいラリー、壮大な冒険だった。この大好きなイベントで再び勝って、自動車部門での成長を続けることができて、本当にうれしいよ」と喜びを語るデプレはバイク出身で、2輪車部門ではダカールで5勝をマークしている。
「モスクワを出発して中国で終わる、最高のイベントだ。ラリー全体を通して、僕もデビッド(カステラ、コ・ドライバー)も、大きなミスはしなかった。そして、マシンに信頼性があったこと、これが優勝の鍵となったと本当に思う」
「正直を言えば、自分は4輪のドライバーとして学ばなくてはならないことが、まだたくさんあると思っている。チームメイトと比べれば、速さにはまだ差があるし、ここは克服したいと思っている点だ。でも、年々、よくなっている手応えもあることが、大きなモチベーションになっている。まだまだ伸び代があると分かっているからね」
「次は、ダカール。昨年は3位だったので、ここで勝てたことは最高の準備になるよ」
激戦が予想された2位争いは、最終ステージがキャンセルとなったため、クリスチャン・ラビエールが2位、ウェイ・ハンが3位のまま確定した。
Xraid勢は、序盤、アメリカのブライス・メンジースが奮闘し、終盤はポディウム争いにも絡んだが、SS13で砂丘にスタックして順位を下げた後、最終ステージがキャンセルとなったため挽回のチャンスを失い、9位でフィニッシュした。
「マシンのセンターを地面にヒットしたのだが、ジャッキが砂丘の中に埋もれてしまったんだ」とメンジース。
「それを取り戻すために、3時間近く掘り返さなくてはならなかった。ポディウムを狙っていたので、本当に残念だよ。でも、これもレースだし、砂丘では起こり得ること。この数日間で、たくさんのことを学んだよ」
チームメイトのヤジード・アルラジは序盤で大量にタイムをロスした後、順位を取り戻し、メンジースに続いての10位でのフィニッシュとなった。
一方、新型プジョー3008DKR Maxiのデビュー戦のステアリングを託され、ウルムキの休息日まで総合首位に立っていたセバスチャン・ローブは、「今回は、自分とダニエル(エレナ、コ・ドライバー)が望んでいたような形で終えることはできなかったが、プジョーのチーム全体としてはとてもハッピーだし、シリルとデビッドにとっては、重要な優勝だ」とコメントした。
「これから、開発作業を続け、今回のシルクウェイラリーで学んだ貴重な経験を全て使い、ダカールに備えていく」
シルクウェイラリー 最終結果
1 C.デプレ(プジョー3008DKR) 41:46:25
2 C.ラビエール(バイクモーターBJ40L) +1:04:39
3 W.ハン(ジーリーSMGバギー) +1:11:29
4 E.アモス(フォードTRX08LMOD) +2:12:12
5 S.ペテランセル(プジョー3008DKR) +2:37:27
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9 B.メンジース(MINIジョン・クーパー・ワークス・ラリー) +4:05:50
10 ヤジード・アルラジ(MINIジョン・クーパー・ワークス・ラリー) +5:29:19