今季はカタールMスポーツワールドラリーチームと、カタールワールドラリースポーツの2枚看板でWRCに挑んでいるフォード陣営だが、前半戦は未勝利。第7戦サルディニアでのティリー・ヌービルの2位が最上位フィニッシュとなっている。
ヤンプス(フィンランド語でジャンプの意)が多出する高速グラベルで有名なフィンランドステージは、ラリードライバーなら一度は走ってみたい憧れのステージ。一瞬のミスも許されず、精密なペースノート作成とコールが求められる。
「グラベルのF1」とも称されるフィンランド戦は、北欧ドライバーが圧倒的に強く、ノルウェー出身のマッズ・オストベルグはそのアドバンテージを活かしたいところだ。フィンランドでポディウムに上がった経験はないが、チームと共に行った6日間に及ぶテストで自信を回復したオストベルグは、一気に流れを変えたいと考えている。
1ヶ月のブレイク中には、ヨーロッパラリークロス選手権のスウェーデン戦にも登場してから臨んだフィンランドでのプレテストでは、セッティングも決まり、フィンランド戦では序盤からプッシュしていく構えだ。
「フィンランドは特別なラリーだし、どのイベントとも違う。ドライバーにとっては、速さとジャンプがたまらない。他のグラベルラリーはタイトでツイスティ、道は狭いけど、フィンランドはワイドでオープンなので、トップスピードでプッシュできる。母国のノルウェーには似たような特徴のラリーがあるので、それがアドバンテージになるといいね」とオストベルグ。
一方、サルディニア戦で2位に入ったヌービルは「今週はとてもいいテストができた。オッズと一緒に2日間をすごし、マシンのフィーリングは素晴らしかった。考え方や経験を共有しながら、いいチームワークができたから、フィンランドをとても楽しみにしている」と語る。
「フィンランドはとても高速で最高のジャンプがあるラリー。天気にもよるけど、スタート順がとても重要になる。ドライなら一番手で走行すればグリップがいいだろうから、予選からセッティングの決まったマシンでいい走りをすることが大切だ。ペースノートも肝心だけど、今年は新しいシステムで行っているので、最初のループでは高速区間でのノートをチェックすることになるので、少しタイムが落ちるかもしれないけど、2回目のループでは真の速さを見せつけられる自信があるよ」