ラリーフィンランド、デイ2終了後の各ドライバーからのコメント。WRカーでの参戦4回目で母国戦でありシーズンの山場イベント、フィンランドで首位に立った若きラッピ。WRカーで母国イベントに参戦する夢が叶ったばかりの大きな成果に、状況をすぐには飲み込めないでいる戸惑いを吐露した。
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタ・ヤリスWRC
■エサペッカ・ラッピ/総合首位
「ラリーフィンランドでリードすることになるなんて、想像もしたことがなかった。小さな男の子の時から夢に描いていたのは、WRカーでこのイベントに参戦することだけだった。だから、自分がリードしているなんて、すぐには理解できない。でも、ここまでミスなくとてもクリーンな走りができているし、マシンも完璧だ。全力を尽くしている。大きなリスクを冒してまでもヤリ−マティに勝つために自分を追い込もうとは思わない。このラリーをリードしているのは特別な気持ち。スペクテイターたちは最高だし、こんな気持ち、ほかのどこにいても味わうことはできない」
■ヤリ‐マティ・ラトバラ/総合2位
「もちろん、エサペッカが速いことは分かっていたが、こんなに台風の目になるとも、初日を終えて僕らがトップ2につけることになるとも思っていなかった。マシンは順調。バランスにはとても満足しているし、全体的に自分のドライビングもいい。トラブルなくマシンがよければ、ドライビングに集中することができる。母国戦のアドバンテージも少しはあると思う。僕らのマシンは、フィンランドの道の上で開発されてきたからね。自信は高まっているが、同時に大きなリスクは避けるようにしていく」
■ユホ・ハンニネン/総合5位
「全体的なフィーリングはとてもいい。マシンは順調。ハンドリングは、高速セクションでもジャンプでも、すごくいい。午前中はグリップが変わるので十分な自信がなかったが、午後は状況がよくなってタイムもよかった。そしたら石にヒットして、サスペンションを破損した。あまりタイムをロスせずに今日を終えることができたのは、ラッキーだった」
[シトロエン・トタル・アブダビWRT]
シトロエンC3 WRC
■クレイグ・ブリーン/総合4位
「すべてが完璧には行かなかったが、いい一日だった。午前中は、あるジャンプで派手に着地をし過ぎて、その後ハンドリングに違和感を感じ、それがひどくなっていった。チームはサービスで魔法のような仕事をしてくれて、C3 WRCを新車のようにしてくれた。でも、2ループ目ではペースノートがすべてが完璧ではなく、慎重になり過ぎたところがあった。コンマ1秒でも取り戻すのが大変だが、まだ先は長い。まだ半分も来ていないからね」
■クリス・ミーク/総合9位
「願っていたような内容ではないことは確かだ。優勝した昨年のようなフィーリングがつかめなかった。サービスで努力したが、マシンは思うような感じにはならず、グリップを得るのに苦戦した。そしてお分かりの通り、終盤のステージではステアリングにダメージを負い、理想的な戦いにはならなかった」
カリッド・アル‐カシミ/総合20位
「タフな一日で、かなりタイムをロスした。常にトラクションを得ようとしていて、マシンを正しいラインにキープするのに苦戦していた。セットアップを大幅に変更した。ディファレンシャル、スロットル、スプリング、でもまだ改善できる部分はあると思う」
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20クーペ WRC
■ティエリー・ヌービル/総合8位
「この高速ステージで求められるリズムをつかむのに、苦戦していた。オジエの件があったことで、選手権の差を一気につめられるチャンスがあることは分かっていたが、ここまでは思うような進捗になっていない。今日はほとんど先頭走行の状態だった。これもゲームの一部だが、かなりタイムをロスした。トヨタ勢は予想通りかなり速いが、今、自分が集中するのは選手権争いを睨んでトップ5に上がることだ。ラリーはまだ終わっていない」
■ダニ・ソルド/総合11位
「語ることはあまりなく、あまりポジティブではないということくらい。ラリーにフルアタックできるだけのマシンへの自信をつかむことができなかった。フィンランドでは、どこよりもマシンの中での覚悟が必要だ。少しでも浮き立てば、すぐにタイムに影響する。今晩はエンジニアからデータをもらって、何ができるかを考えて行きたい」
■ヘイデン・パッドン/SS4でデイリタイア
「フィンランドではミスが許される余地は少ない、それが証明された。滑り出しは順調で、序盤のステージでは期待の持てるペースを出せていた。そしてSS4で、何人かのドライバーがそうなったように、わずかにワイドになった。あいにく、石にヒットしてサスペンションを破損した。ダメージは大きくなかったが、これで今日が終わってしまった。それでもマシンはいいし、コンペティティブな走りはできていた。フィンランドでは、わずかにスピードが高すぎてしまうと、痛手が大きくなってしまう。明日はラリー2でまた走る」
[MスポーツWRT]
フォード・フィエスタWRC
■テーム・スニネン/総合3位
「今日3位につけられて、とてもうれしい。母国戦だし、WRカーでの2度目の参戦なので、もちろん特別だ。フィンランドのファンはいつものように素晴らしい応援をしてくれて、感謝している。今日はいい走りができて、ミスなくいいペースが出せていたと思う。でも、まだ改善するべき所もある。もっと安定感を高めなくてはならないし、ドライビングラインを正確に取れるようにしなくてはならない。こういったマシンでは、それがタイムに影響するからね。でも、自分の力がどんどんついている手応えがある。これを続けて、いつか自分の力で優勝争いをしたい。この週末は、それを目指してはいない。とにかく自分のことに専念して、前にいるフィンランドの僚友(ラッピ)のことは気にしない」
■エルフィン・エバンス/総合7位
「プレイベントテストができなかったので、ステージでセットアップを決めて行かなくてはならなかった。午前中はアンダーステアに苦戦し、自信が得られなかった。それでも、7位につけて、差も大きくない。まだ先は長いからね」
■オィット・タナック/総合10位
「SS4の序盤でわずかにワイドになり、パンクをしてしまった。これで1分半近くをロスし、優勝の望みはなくなってしまった。この速さでこれだけ差が詰まっていると、タイムを取り戻すのはとても難しい。その後は、とにかくクリーンな走りに専念した。チームのためにできる限りポイントを獲ることが重要なので、まだモチベーションは持っている。でも、優勝争いをするモチベーションとは違う。まだ先は長いし何が起こるか分からないので、とにかく走り続けて行かなくては」
■セバスチャン・オジエ/SS4でデイリタイア
「クラッシュした地点の2km手前に、大きなジャンプがあった。着地でサスペンションにダメージを負い、フィニッシュに向かうにつれて気が散ってしまった。ブレーキが遅すぎてしまい、ドリフトして木にヒットしてしまった。とてもいいペースだったので本当に残念だし、これで選手権ポイントを獲得するチャンスを失ってしまった。スロットルのトラブルでもタイムをロスしていたが、それがなければ上位争いもしていた」