これまで、WRCにヨーロッパ外の遠方イベントを拡大することを長年のポリシーとしてきたFIAだが、プロモーターがその維持を断念。ニュージーランドのWRC復帰プロジェクトを展開する主催者が危機に直面している。これは、WRCに新規昇格または復帰したヨーロッパ外イベントが開催に失敗したことが続いていることによるもので、直近では昨年、中国が開催キャンセルとなっている。
WRCの歴史ではこれまで、ヨーロッパ外の16カ国でWRCの経験があり、うち13カ国が開催に失敗。12カ国は運営の実力不足でカレンダーから落ちている。ニュージーランドは開催の希望を持っていたにも関わらずカレンダーから外れているが、これは地理的な遠さが原因と伝えられている。
ニュージーランドの主催者は「ヨーロッパ外の新規イベントを昇格させることは、商業面での懸念からチャレンジング過ぎる」との通告を示されていた。ニュージーランドでは、将来、WRC戦を復活させるプランが、現在の運営基準にマッチするよう再構築されたばかりで、WRC復帰を目指してのトライアルイベントの開催を控えているが、以前から2018年の復帰は時期尚早だと見られていた。
昨年、FIAは、WRCのカレンダーに変更の可能性があるとすれば、トルコの復帰(後日、治安が不安定であることから見送りとなった)とクロアチアだと示唆していた。クロアチアはグラベルイベントの開催が前提とされているが、同国最大規模のラリーはターマックで開催されていたという。
(Martin Holmes)