WRCオーストラリアは11月18日、デイ2の競技が行われているが、SS10のNewry(20.87km)では、ラリーリーダーのアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)がリタイアする波乱が起きている。
林の奥を走るこのステージは、木々の間から日差しが差し込み、路面に影を作るため、ブレーキングポイントを見定めるのが難しい。昨年のオースラリアでは、フォルクスワーゲンからの最後の参戦となったこのイベントを制していたミケルセン。連覇を目指して初日を快走していたが、このステージでは、バンクにヒットした衝撃で左の前後タイヤがパンク。スペアを1本しか車載していなかったため、走行を続けることができなくなった。
「スタートから2km、オーバークレストの右コーナーで、3速か4速だった。アウト側のバンクに、かなりハードに接触した。そこから生き残れる時もあれば、できない時もある。今回はできなかった」」とミケルセンは状況を説明する。
「左リアをパンクしたと思ったが、すぐにフロントもおかしくなった。スペアを1本しか積んでいないので、これ以上走ることができない。タイヤチョイスでは、後のためにタイヤをセーブするために2本積みは選択肢になかったので、動揺している。
これで首位に立ったのは、ヒュンダイのチームメイトで選手権2位争いを展開しているティエリー・ヌービル(i20クーペWRC)。しかしヌービルもこのステージは順調ではなく、ステージ序盤のコーナーでオーバーシュートを喫し、10秒近くをロスしている。
「ジャンクションを直進してしまった。道にあったラインをたどったが、ブレーキが遅過ぎて、リバースに入れなくてはならなかった。トリッキーなコーナーで巻き込むことは分かっていたが、それがいつなのかは分からなかった」と語るヌービルは、1速が使えなくなり、サービスではギアボックス交換を予定していた。
このステージのベストタイムはヤリ−マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)。レースウェイでのショートステージは堅実にまとめ、ヌービルにわずか6.3秒差の総合2位で日中サービスを迎えた。