WRC第4戦ポルトガルは、デイ1の5SSを終了してフォルクスワーゲンのセバスチャン・オジエがトップ。予選でトップタイムを獲得したシトロエンのダニ・ソルドが4.4秒差でオジエを追う展開となっている。
この日は2本のステージを2回走行した後、首都のリスボンで行なわれるスーパーSSという5ステージのみの設定。ステージ距離は80km強と短いものの、昼間のサービスは設定されず、おまけにリスボンまでは片道200kmという長駆が待っている。そのため選手たちはタイヤの選択に細心の注意を払いステージに向かっていった。
主要選手のタイヤ選択は以下のとおり。
ハード6本
ナッサー・アル‐アティヤ
ハード5本
ダニ・ソルド
アル‐アティヤ以外のフォードドライバー
ハード4本+ソフト2本
ミッコ・ヒルボネン
ヤリ‐マティ・ラトバラ
アンドレアス・ミケルセン
ソフト4本+ハード2本
セバスチャン・オジエ
SS1はところどころにダンプの残る状況。ソフトタイヤの利を活かし、ここでトップタイムを刻んだのはオジエだ。2番手タイムはMスポーツのマッズ・オストベルグ、3番手にはシトロエンのミッコ・ヒルボネンがつけた。同じフォルクスワーゲンのラトバラはハードタイヤ2本、ソフトタイヤ2本という組み合わせで臨んだが、オジエから10.3秒遅れの4番手タイムとなっている。
完全なドライ路面となったSS2ではオストベルグがプッシュ。アタックをかけてオジエを逆転し、3.9秒差をつけて総合首位に立った。ここでSS2番手タイムを出したソルドがヒルボネンとラトバラを抜き、総合3番手に浮上している。
「少しミスをしてしまったが、マシンのフィーリングがとてもいい」とDS3の仕上がりに手応えを感じている様子だ。
サービスを挟まず連続しての走行となったSS3、首位を走っていたオストベルグは13km地点の左コーナーにオーバースピードで進入、横転を喫して戦列を去ることとなった。本人のツイッターには「もうガッカリだよ」と写真とともにつぶやきがアップされている。これで労せず首位に立ったオジエは、このステージではソフトとハードをクロスに装着してSS3番手タイムとした。
そのオジエの背後には、SS3、SS4と2連続ベストタイムをたたいたソルドが迫る。SS4終了時点で首位オジエの2.4秒差につけたソルドは「まだ明日は明日で難しい1日になるはずだ」と慎重な姿勢を崩さない。一方、このSS4でミケルセンはパワーステアリングを破損し大きくタイムロス。リタイアこそ免れたが、総合16番手と上位入賞の臨みは絶たれてしまった。
200kmのロードセクションを経て首都リスボンで行なわれたスーパーSSではヒルボネンがトップタイム。オジエ、ラトバラ、ソルドがそれに続く。
総合順位の上位はトップがオジエ、2番手にソルド、3番手にはラトバラ、4番手にヒルボネンというオーダー。ソルドはオジエを捉えることはかなわなかったが、その差は4.4秒。背後のラトバラとは7秒の差がついている。
なお、シトロエンDS3 RRCでWRC2に参戦しているロバート・クビカはSS4を終えた段階で総合13番手、WRC2の2番手につけていたが、パンクを喫してしまいスペアを使い果たしたためデイ1をリタイアしている。再出走についての確定情報は現時点でない。
ラリーポルトガルのデイ2は日本時間13日の18:09からスタート。22〜31kmのステージ3本を2回走行する計6ステージが予定されている。
【SS5後暫定総合順位】
1:S.オジエ(フォルクスワーゲン) 49:33.0
2:D.ソルド(シトロエン) +4.4
3:J.ラトバラ(フォルクスワーゲン) +11.4
4:M.ヒルボネン(シトロエン) +16.2
5:T.ヌービル(フォード) +30.7
6:E.ノビコフ(フォード) +1:17.0