WRC参戦5シーズン目を迎えるヒュンダイ・モータースポーツは、今季の目標として、ドライバーズとマニュファクチャラーズの両タイトルに挑むことを堂々宣言した。
2017シーズンは、これまでの参戦で最も充実した結果を収めた年になったとするヒュンダイ。4勝を収め、ドライバーズ、マニュファクチャラーズの両選手権で僅差の2位につけた。5年目を迎える2018年は、それを上回る結果を残し、目標も新たに両タイトルを狙うことを掲げる。ヒュンダイi20クーペWRCは、グラベルでもターマックでも相応の強さを見せたが、あと一歩、頂点に届かなかった。2018年に向けて、ヒュンダイはi20クーペWRCのアップデートを行ってきた。
チーム代表のミシェル・ナンダンは「WRC参戦の5シーズン目に向けて、我々は向上心を持って、より高みを目指していく」と語る。
「我々が目指すのは、ドライバーズ、マニュファクチャラーズの両選手権でタイトル争いをしていくこと。2017年は目前に迫ったが、パフォーマンスと一貫性の点でわずかに及ばないとも感じた。我々は今季、それを改修することを目指す。今季は規定に大きな変更はないので、マシンも革新的な変更は行わず、どのチームも昨年マシンをベースに仕上げてくる。ライバルチームのことを、とても尊敬しているよ。彼らのパフォーマンスがあるからこそ、我々もラリーのたびに向上していこうと挑んでいく。これこそ、我々が前進していく原動力。そして、選手権での最終ゴールに向かって、我々は取り組んでいく」
ドライバーを務めるのは、アンドレアス・ミケルセン、ティエリー・ヌービル、ダニ・ソルド、ヘイデン・パッドンの4人。ミケルセン(#4)とヌービル(#5)は全13戦に参戦。ソルドとパッドンは#6をシェアしてのスポット参戦となる。
昨年、シーズン最多勝利、最多SS勝利を挙げたヌービルは、ドライバーズ選手権ではセバスチャン・オジエにわずかに届かず2位に留まったが、今年はより大きなプライズを視野に入れる。
「昨年は選手権タイトルは獲得できなかったかもしれないが、祝福できる要素がたくさんあった」とヌービル。
「戦いに絡んでいきたいし、たくさんラリーで勝ちたい。4勝を収め、その他の多くのラリーでもコンペティティブに戦えたことは、2018年にさらに上を目指すためのモチベーションとなる」
「チームとしては、シーズンの度に強くなっている。5年目に入る今、自分たちが輝ける時だと感じるが、ライバルたちが手強いことも分かっている。いずれにしても、自分たちの意欲は高まる。自分たちには、ヒュンダイi20クーペWRCといういいマシンがあり、チームはパフォーマンスのポテンシャルをさらに上げるために、冬の間も必死でがんばっている。僕らのチームスピリットはとても高いので、安定してベストのパフォーマンスを出せるようにしていかなくてはならない」
2017年のラスト3戦をヒュンダイ・モータースポーツで戦ったミケルセンは2018年、このチームからフル参戦を果たす。
「この瞬間を待っていた。ヒュンダイ・モータースポーツからの、フル参戦のシーズンが始まる!」とミケルセンは興奮を隠さない。
「昨年の最後の3戦は、チームやi20クーペWRCと馴染む上で、とても有意義だった。おかげで、今、自信を持ってアタックできる準備が整ったと手応えを感じる。マシンは様々な路面で速さを見せているし、今季はいい形で結果につながればと思う。WRCは、強いマニュファクチャラーが集まっていい形になっているし、クルーはバトルに向けて準備万端だ。戦いが始まれば、何が起こるか誰にも分からない。だから、すべてに向けて備えておかなければならないんだ」
なおヒュンダイ・モータースポーツは、2018年仕様のカラーリングを施したと思われるマシン画像を公開している。