ダカールラリー2018年大会は1月13日、休息日を終えて競技が再開した。この日はステージ7に設定されたラ・パス‐ウユニ間を走行。距離は726km(SS:425km)、トラックが669km(SS:368km)だった。マラソンステージの前半となったこの日、コンペティター陣はアシスタンスを受けることができない状況で、ウユニまでの道のりに対応しなくてはならない。
ダカールにおいて最も難しいことの一つが、先頭走行でステージウインを獲得することだが、この日まさにそれをやってのけたのは、百戦錬磨のキング、カルロス・サインツだった。2010年にダカールを制しているサインツは、この日ベストタイムをマークして、総合順位でも首位に浮上した。
しかし、サインツの首位浮上に影には、チーム・プジョー・トタルのチームメイトの不運もあった。前半を首位で折り返していたステファン・ペテランセルは、クワッドを抜く際に石にヒットし、サスペンションのトラブルが発生。ステージ途中で、2時間近くもスタックを喫したのだ。最終的に、同じくチームメイトのシリル・デプレの助けを借りて、走行を再開。ビバークに帰還したが、サインツに1時間20分以上遅れての総合3番手に順位を落としている。
ペテランセルの不運により、トヨタ・ガズーSAのナッサー・アル‐アティヤは、総合2番手に浮上。チームメイトのジニール・ドゥビリエは総合4番手につけているが、2番手のアル‐アティヤから、5番手に順位を落としたベルナルド・テンブリンクまではわずか15分しか離れておらず、後半戦は激しい順位変動が見られることになりそうだ。
ステージ8は、ウユニ‐ツピザ間の584km(SS:498km)、トラックは558km(SS:380km)を走行する。
主要ドライバーコメント
カルロス・サインツ(#303)「実は、今日の序盤はオフピステ(道がない区間)が多く、かなり難しかった。いい道が現れた後は、少しプッシュできるようになった。今日は、特にトラブルはなかった。みんな、長い道のりを生き抜くモードになっている。まだ、何が起こるか分からないからね。もちろん、今は状況が少し変わり、自分は守るべきリードを築いた。集中を維持して、トラブルを避け切らなくてはならない」
ステファン・ペテランセル(#300)「少しコースを外れたが、石が目に入らなかった。衝撃を感じ、マシンのリア周りを破損した。ショックアブソーバー、サスペンション、トランスミッション、色々なところだ。今日はまだ、やることが山積みだ。マシンは、本来の姿ではなかった。シリルのマシンからパーツを取って、1時間50分かけて修復した。自分たちに怪我はなく、気分もいい。ただ、気持ち的に打ちのめされただけだ」
ナッサー・アル‐アティヤ(#301)「ステファンはマシントラブルに見舞われたが、彼のミスではない。でも、これもダカールだ! 先週は僕らがたくさんトラブルに見舞われ、何時間もロスした。このようなダカールは初めてだ。取り乱しているよ! でも、トヨタをここに持ち帰ることができて、とてもハッピーだ。レースはまだ7日間残っている。ここはマラソンステージなので自分たちでマシンを直さなくてはならないが、僕らに必要なのはタイヤ交換だけだよ」
ダカール2018年大会 ステージ7終了時点結果
1 C.サインツ(プジョー) 21:41:38
2 N.アル‐アティヤ(トヨタ) +1:11:29
3 S.ペテランセル(プジョー) +1:20:46
4 G.ドゥビリエ(トヨタ) +1:20:54
5 B.テンブリンク(トヨタ) +1:25:04
6 J.ライゴンスキー(MINI) +2:19:02
7 M.プロコップ(フォード) +2:22:39
8 S-K.アルカシミ(プジョー) +2:41:26
9 P.メルクステイン(トヨタ) +4:23:35
10 L.アルバレス(トヨタ) +5:14:16