フォルクスワーゲン・モータースポーツは、カスタマー向けに開発中のフォルクスワーゲン・ポロGTI R5の1回目の供給として、15台を販売することを明かした。
第6世代のポロGTIをベースとする4WDラリーマシンは、昨年の初めから開発を開始。WRCで4連覇を達成したノウハウが注入されるR5マシンとして注目を集め、1月に英国で開催されたオートスポーツ・インターナショナルでも展示を行っていた。
「ポロGTI R5の反応はポジティブで、とても喜んでいる」とフォルクスワーゲン・モータースポーツのディレクター、スベン・スミーツはコメント。
「カスタマーからの問い合わせは盛況だった。もちろんうれしく思うし、最高のラリーマシンを届けたいと思うモチベーションが、さらに高められる」
マシンの供給は、今季後半から始まる予定。15台のうち、3台はオーストリアに向かい、オーストリアのラリーチャンピオン、ライムンド・バウムシュラッガー率いるバウムシュラッガー・ラリー&レーシングチームが使用する。バウムシュラッガーは、2017年タイトルをポロWRCで勝ち取っている。また、ベルギーでは、BMAが2台、THXレーシングが1台購入を決めている。
フィンランドのプリントスポーツには、2台が送られる。エサペッカ・ラッピ、オーレ・クリスチャン・ベイビー、ヤリ・フッツネンといった若手を輩出した強豪チームだが、現在はポーランドのルーカス・ピエニアシェク、セバスチャン・リンドホルムを父に持つエミル・リンドホルムが所属している。
さらにイタリアのHKレーシングには、2台のポロGTI R5が届くほか、ポルトガル、スウェーデンのクリストファーソン・モータースポーツにも1台ずつが供給される。1万1000kmと最も遠い送り先となるのは、3台が送られる南米パラグアイ。フォルクスワーゲンの現地インポーターであるミゲール・カリゾサ/ディエサS.A.が国内選手権で走らせる予定だという。