マーティン・ホームズのWRCプレビュー・スウェーデン編「シトロエンからオストベルグが参戦」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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マーティン・ホームズのWRCプレビュー・スウェーデン編「シトロエンからオストベルグが参戦」

©CITROEN / @World

2月15日(木)から18日(日)にかけて、スウェーデン南部のカールスタッドで開催されるWRC第2戦ラリースウェーデン。大御所WRCメディア、マーティン・ホームズによるラリー直前のWRCチーム近況をお届けしよう。

シトロエン

スウェーデン戦では3台をエントリー。2年ぶりにマッズ・オストベルグがチームに復帰する。スウェーデンではトップ6でのフィニッシュを飾ったことがないクリス・ミークは、シャシー#9(2017年サルディニアのミーク車を修復したもの)、スウェーデンのベストリザルトは5位というクレイグ・ブリーンは#8(ラリーGBでカリッド・アル‐カシミが使用したマシン)、過去5回、スウェーデンでポディウムに上がっているオストベルグは#10(オーストラリアでルフェーブルが使用したマシンを修復したもの)を駆る。

Red Bull

ラリースウェーデン向けに施したのは、シーズン独特のイベントに向けてのマシンセットアップ。スウェーデン中部のマルン地方で4日間のテストを行った。

昨年の経験としてはトルスビーの新しいサービスエリアは、旧拠点だったハグフォースに匹敵する内容だったということ。国境を越えてノルウェーにもステージが設定されるが、スウェーデンとは性格が異なり、カールスタッドに向かう2本のロングコースは、幅広いスペクテイターにマシンを披露する目的があるということは理解できると捉えている。

R5マシンの開発近況としては、ホモロゲーション取得が4月1日に予定されているようだ。

ヒュンダイ

3台体制でのエントリーだが、サードカーはダニ・ソルドに替わって、今回はヘイデン・パッドンが駆る。マシンは3台ともモンテカルロと同じ(スウェーデンで2回ポディウムに上がっているアンドレアス・ミケルセンがシャシー#9、3年前に2位に入っているティエリー・ヌービルが#8、2年前に2位に入っているヘイデン・パッドンはモンテカルロでソルドが使用した#7)。また、HMDPのドライバー、ヤリ・フッツネンがシャシー#31のi20 R5で参戦。サラザン・モータースポーツが運営を担う。

スウェーデン戦独特の試練としては、雪路面からグラベルが露出した時にタイヤのスタッドを維持すること。2月初旬にカール(オステルサンド近郊)で3日間のテストを行っており、ラリー直前にも2日間を予定している。

サービスエリアがトルスビーに移ったことで、多くのステージとの距離が短縮される。ノルウェーのステージでは、より雪の豊富なステージが確保できる。カールスタッドのステージは大いに盛り上がり、どのエリアもやりがいのある内容だ。R5マシン開発の進捗については、近日中に入ってくる見通し。

Mスポーツ・フォード

3台のワークスエントリーは、モンテカルロで使用したマシンと同じで、シャシー#9がセバスチャン・オジエ(スウェーデンではリタイアしたことはなく、これまでに3勝をマーク)、#3がエバンス(X1FMCで登録、エバンスはスウェーデンを5位以上でフィニッシュしたことはない)、テーム・スニネン(10位フィニッシュを2回)は、元ブライアン・ブフィエ車の#4を駆る。ロレンツォ・ベルテッリは、選手権外で#2をドライブ。これは、2017年にオジエがモンテカルロで優勝したマシンだ。R5マシンのエントリーはニル・ソランス(#256)の1台。

モンテカルロでの変わりやすい気候変化については予想通りで、グラベルクルーに想定以上の困難はなかったようだ。ラリースウェーデンで常に試練となるのは、クルーとマシンの基本コンポーネンツの温度を保つこと。スウェーデン北部で5日間のテストを行い、スニネンとベルテッリが1日ずつ、その他が1日半ずつ走行を行った。

トルスビーでの問題点は、宿泊施設が不足している上にどれも高額であることを挙げている。チームは、ノルウェーにもステージを設定することで、ファンの幅が広がること、そしてカールスタッドを回ることで遠方まで足を伸ばさないファンにも観戦の機会を与えるととらえて、許容している。

トヨタ

TOYOTA GAZOO Racing WRTも、ヤリ‐マティ・ラトバラ(13回目の参戦、うち4回で優勝)、 オィット・タナック(ベストリザルトの2位は唯一のポディウムフィニッシュ)、エサペッカ・ラッピ(WRカーでのスウェーデン参戦は初)の3台をエントリーする。また、トミ・マキネン・レーシングからは、WRC2部門に勝田貴元、新井大輝が参戦。さらに選手権外でヤルコ・ニカラがコ・ドライバーの足立さやかと組んでエントリーする。いずれもフォード・フィエスタR5での参戦だ。

ラリーモンテカルロでは、マシンの信頼性が確認された。スウェーデンでの試練は、マシンのシステムを、SS中、リエゾン中と作動に適切な温度に保つこと。イベント前テストは、すべてフィンランドのユバスキラ近郊で行った。

現在行っている開発作業は、メキシコ向けに冷却の改良。パフォーマンス強化に向けての新たなホモロゲーション取得は、フィンランド向けに予定されている。
(Martin Holmes)



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