ヨーロッパラリー選手権(ERC)第2戦ラリー・リエパヤ-ベンスピルスは、2月1-3日にラトビアで開催。フォード・フィエスタRRCのヤリ・ケトマーが、プジョー207 S2000のクレイグ・ブリーンとのバトルを制して優勝を収めた。
豊富なスノーとアイスコンディションのハイスピードコースという本格ウィンターラリーとして開催されたラトビアラリー。序盤は、今季プジョーラリーアカデミーからERC8戦のプログラムを得たクレイグ・ブリーンがベストタイムを連発しての首位に立つ。しかし、高速ステージでNAマシンのパワー不足が徐々に顕著となる中、SS6からターボ車両のRRCマシンを駆るケトマーが首位に浮上。キミ・ライコネンのパートナーを務めていたカイ・リンドストロームをコ・ドライバーに迎えて挑んだケトマーは、最終的にブリーンに30秒以上の差をつけての勝利を収めた。
「2年間、運に見放されていたので、このリザルトは本当にうれしいよ」とケトマー。「リスクは負いたくなかったし、初日を終えた時点でいいリズムがつかめているという手応えがあった。フィーリングがすごくよかった。このラリーは、超高速な上に凍ったグラベルも多かったのですごく特殊だったが、自分たちはできると信じ続けた。チームのみんなもいい仕事をしてくれたよ」
一方、ケトマーとのバトルに競り負けたブリーンだったが、2位のリザルトに満足を見せ、「優勝争いに絡むことができたなんて、信じられないよ」とコメント。「目標にしていたポディウムフィニッシュを達成できた。まだ限界までプッシュしていなかったので、今季中には優勝できると思う」
プジョー陣は、同じく207S2000を駆るフランソワ・デルクールが3位に入り、ポディウムの両端を独占した。デルクールは今回、ショートレシオのギアボックスをチョイスしていたが、スタイルにうまくマッチせず、高速ステージでヒヤリとする場面が頻発。さらにSS3では、ステージのほとんどをドライバー側のドアが開いたまま走行するというアクシデントにも見舞われた。
プロダクションカップは、三菱ランサーエボリューションXのビタウタス・スベダスが勝利。終盤まで首位につけていたアレクセイ・ルカヤナックは、総合でも3位のデルクールまで1.7秒差に迫る大健闘を見せていたが、雪壁に引っかけてオイルクーラーを破損。リタイアとなったが、コリン・マクレーフラットアウト杯を受賞した。2WD部門は、シトロエンC2 R2 MAXのリスト・イモネンが制した。