2月7日に開幕するWRC第2戦スウェーデン。Mスポーツ陣営は、このイベントには5台のフォード・フィエスタRS WRCを投入し、マッズ・オストベルグ、エフゲニー・ノビコフ、ナッサー・アルアティヤー、ティエリー・ヌービル、ユホ・ハンニネンと強力な布陣で、スノーラリーという特殊なイベントに挑む。
選手権唯一の本格スノーラリーであるラリースウェーデンは、カールスタッドを拠点に、氷点下でのチャレンジとなる。このコンディションに対応するため、フィエスタRS WRCの各マシンはミシュランのウィンタータイヤを装着。380本以上のタングステン鋼スタッドが埋め込まれた特殊なタイヤは、フレッシュスノーをかいて地盤のハードアイスからグリップを得る。
さらに、厳しい寒さや雪の照り返しの対策として、ウォームブーツや遮光のサングラスを身につける。またドライバーは、アイス路面をハイスピードで抜けていくために雪壁にマシンを当てつけながらコーナリングするスキルも必要になる。しかし、これも当てすぎるとタイムロスにもつながるため、バランスが必要だ。
しかし、地元ではやや温暖な気候が予測されており、おなじみのラリースウェーデンの光景とはやや異なり、融雪してグラベルがのぞくことになれば、タイヤチョイスも難しくなるほか、走行順の影響も懸念される。
開幕戦のモンテカルロで手堅い滑り出しを見せたオストベルグは、今回も活躍が期待される。ほとんど地元とも言えるスウェーデンのイベントでは、過去2回、ポディウムフィニッシュと遂げている。既にプレイベントテストを行ったオストベルグは、この週末は母国ノルウェーでラリーフィンスコグに参戦する。
カタールMスポーツWRTのチームメイト、ノビコフも、モンテカルロで光る速さを見せた。最終日の難所でリタイアするまでは、トリッキーなコンディションでも対応力を発揮し好位置につけていた。初めてスウェーデンに参戦した昨年は5位に入賞しており、今年も活躍が期待される。
ダカール参戦のためモンテカルロを欠場、このスウェーデンが今季のWRC初参戦となるアルアティヤー。カタールインターナショナルラリーでは前人未踏の10勝目を挙げたばかりの勢いを、スノーバンクにぶつけていく構えだ。
ヌービルも、昨年初めてスウェーデンに参戦しており、ハンニネンはPWRCに参戦した2008年以来。この時はPWRC優勝、総合8位と健闘した。
マッズ・オストベルグ:
「スウェーデンではすごく自信があるよ。金曜日のテストはうまくいったし、今週末のノルウェーでのラリー参戦で、テストで得たセッティングなどを試してみるつもりだ。雪がなくなるとグラベルが出て、かなりトリッキーになるね。でも、準備はしっかり出来ていると思うので、優勝を狙ってプッシュしていくよ」
ナッサー・アルアティヤー:
「MスポーツからWRCに参戦できることをうれしく思う。スウェーデンもとてもエキサイティングなラリーになるだろうね。ウィンターラリーは割と好きなんだ。確かに、いつも参戦している路面とまったく違うけどね。トリッキーなコンディションになる可能性はあるけど、それは誰にでも同じ事。カタールMスポーツのドライバーの誰かが、このラリーで勝つことを願っているよ」
(チームリリース抜粋)